Comment:
お気楽政治家が国を揺るがすほどの作戦を決行する痛快ドラマ。
3人のオスカー俳優をキャスティングしたコメディ・・・かと思いきや、社会派ドラマに仕上がっていましたね。宣伝の仕方が間違っていたのでは・・・?
1980年。テキサス州のチャーリー・ウィルソン下院議員は、国防歳出小委員会の一員として活動していました。しかし、彼は無類の酒好きで、そして女好きでした。
彼のオフィスで働く秘書たちは皆ナイスバディな女性たち。ラスベガスでも、セクシーモデルが主演する番組に出資し、パーティでストリッパーたちと楽しいひとときを・・・。
しかし、そんな彼もやはり政治家のはしくれ。テレビに映ったアフガニスタンの現状をレポートしている報道番組が気になるご様子・・・。
ソ連軍の侵攻によりアフガニスタンの情勢は悪化していました。
ワシントンに戻ったチャーリーは、早速、アフガニスタンへの支援資金を500万ドルから倍の1,000万ドルへ上げるように命じるのですが・・・。
事実を基にした作品ということのなのですが、日本にチャーリーのような議員がいたら、即刻、辞職させられてしまいそうですね(^_^;
チャーリーは専門的なことは何一つ知らない「わかっているつもり」の代表格のような人間でしたが、彼の特質すべき点は、外交手腕にありました。
彼は人を和ませ、楽しませ、最後には自分を好きにさせる術を心得ていたのです。
もちろん、それだけでは政治・社会は動かないので、CIAの凄腕情報調査官のガストや、チャーリーでは動かせない上役を手玉に取る社会奉仕活動が趣味のセレブなジョアンがチャーリーのサポートに付きます。
彼ら3人がそれぞれの適材適所で活躍しアフガニスタンを救う極秘作戦が始まります。
チャーリーが凄腕営業マン。
ガストがチャーリーをフォローする凄腕コンサルタント。
ジョアンが上役に言い寄る高級クラブのママさん。
・・・そんな感じですかね(^_^;
チャーリー役はトム・ハンクス。ピッタリな配役でしたが、若かりし頃の演技はもう無理なのでしょうか。コメディ・タッチの陽気な宣伝のせいかもしれませんが、もうちょっと弾けても良かったかなぁ。
ジョアン役にはジュリア・ロバーツ。セレブらしくド派手なメイクでしたね。女性の人って、マスカラで固まったまつげを安全ピンで細かくするのかぁ・・・コワっ。あと、めずらしく水着姿を披露していましたね。もうちょっと若い頃に披露すればいいのに・・・(^_^;
ガスト役にはフィリップ・シーモア・ホフマン。彼は出演する作品ごとに別人になりますね。今回は、人付き合いが下手な口の悪い男を平然とした物腰のまま演じています。
クセのある登場人物とキャスティング。ストーリーも決してつまらないものではないのですが・・・う~ん、何かが足りなかったなぁ。
やっぱり、何度も触れていますが、宣伝が失敗だったように思います。予告編で流れた「アメリカン・パイ」も作品のイメージと違うかなぁ。作中ではまったく流れていませんでしたしね(^_^;
ラスト。
ラスト・シーンはオープニング・シーンの繰り返しでしたが、意味合いがまったく異なるシーンになりましたね。
オープニングでは皆からの賞賛を笑顔で応えるチャーリーのように見えましたが、ラストではその賞賛を苦笑いで応えるチャーリーのようにも見えました。
その後に映し出されるチャーリーが残した言葉が皮肉めいていましたね。しくじったというのは、教育支援が却下されたことに加えて、アルカイダとオサマ・ビンラディンを誕生させてしまったことなのかな?
そういうことであれば、米国政府の失政を辛辣に皮肉ったブラック・ユーモアたっぷりの作品だったのかもしれませんね。
Title:
CHARLIE WILSON'S WAR
Country:
USA (2007)
Cast:
(Charlie Wilson)TOM HANKS
(Bonnie Bach)AMY ADAMS
(Joanne Herring)JULIA ROBERTS
(Gust Avrakotos)PHILIP SEYMOUR HOFFMAN
Director:
MIKE NICHOLS
