僕のピアノコンチェルト | ひでの徒然『映画』日記

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僕のピアノコンチェルト


Comment:

天才ピアニスト少年の成長を描いたハートウォーミング・ドラマ


スイスの作品で、スイス映画賞最優秀作品賞を受賞した秀作です。ハラハラドキドキの展開ですが最後には安らぎを与えくれます。


発明家のレオとキャリア・ウーマンのヘレンの間に産まれた男の子ヴィトスは、幼い頃から類まれなるピアノの才能を持ち、IQも計測不可能なほど高数値を持つ天才児でした。


それ故、幼稚園では周りの園児たちと馴染めず、ヘレンは幼稚園に通わせることを辞め、自宅にてピアノの練習をさせます。その頃、レオの発明が企業に採用され、レオの仕事も順調に進み、家族は高級マンションへと引っ越します。


そして、その引越パーティの席でヴィトスは招待客が見守る中、ピアノの演奏を披露します。


それは、プロ級の演奏だったのです。確かな手ごたえを感じたレオとヘレンは、ヴィトスを音楽学校へ通わせようとするのですが・・・。


ヴィトスの好奇心が旺盛なのは血筋ですね。レオも子供が大人になったような性格でしたからね。発明家には子供のような発想が必要なのかも。でも、そのレオの性格も、きっと父親から受け継いだものなのでしょう。


レオの父、ヴィトスの祖父がこのストーリーのキーパーソンでもあります。


誰よりも少年のようなヴィトスのおじいちゃんは、生きていることの素晴らしさを教え、夢や希望を与えてくれます。おじいちゃん役がブルーノ・ガンツだから尚更ですよね。実際にはいないようなおじいちゃんでも、彼が演じると説得力があります。きっと、ブルーノ・ガンツ本人が素晴らしい人生を過ごしてきたからなのだと勝手に想像してしまうのですが・・・。ヴィトスと風船に付けたラブレターを飛ばすシーンが微笑ましかったです。


ファイヴ・・・フォー・・・スリー・・・トゥー・・・ワン・・・ジェロウ!!!ってね(^-^)


また、おませなヴィトスは6歳にして初恋(*^_^*)


お相手はベビーシッターである12歳の少女イザベル。でも、結果的には初恋になるのですが、ベビーシッターを嫌がるヴィトスに対し、ヘレンが「恋人と思えば・・・」と言った冗談をヴィトスがそのまま鵜呑みにしたような感じも・・・。言われたこと聞いたことを何でも吸収してしまう天才児のようです(^_^;


そして、6年後。ヴィトス、12歳。


彼のピアノにますます磨きがかかります。さらに、学校は飛び級して高校に通っていますが、そこでも周りに馴染めず、レオから大学への進学または自分の働いている会社への就職を持ちかけられます。


悩むヴィトスは、おじいちゃんに相談します。ここでおじいちゃんが勧めるヴィトスへの仕事がまぁ庶民的。おじいちゃん、さらに高感度UPです(^-^)


でも、ヴィトスが言います・・・「普通の人になりたい」と・・・。


そのヴィトスの言葉におじいちゃんは答えます。


「決心がつかないときは」

「大事なものを手放してみろ」


ここからストーリーが大きく動き出します。


いやぁ。やっぱりIQが高い人の考えることは大胆ですねぇ。若さもあるのかなぁ。いや、あの大胆な大作戦は、おじいちゃん、レオから受け継いだ血筋によるものかもしれませんね。


でも、ヘレンがちょっと可哀想だったかなぁ。自分のキャリアを捨ててまでヴィトスのために子育てに専念していたのにね。でも、ヴィトスを有名にすることが自分のキャリアに繋がると思っていたのかなぁ。そして、それがダメになったとき、初めて母親らしい子供への愛情が生まれたのかもしれませんね。


あと、「ドクター・ウルフ」作戦は愉快でしたね。ちょっと株の話が絡んできたので何でそうなるの?と、「?」が頭の中でいっぱいになってしまいましたが・・・(^_^;


何でも「プット・オプション」というのは、株価が下がれば買い手に大きな利益をもたらすそうです。株価が下がっているのに何で?って感じですが、「プット・オプション」とは「指定した日に決められた額で売る権利」だそうで、まだ株価が下がっていないときに「プット・オプション」を買っておけば、いくら株価が下がっても、買い手は決められた額で「プット・オプション」の売り手に株を売ることができるんだそうです。売り手の人は売ったことへの義務として、下がってしまった株でも必ず決められた額で買わなければならないため、決められた額より株価が下がれば「プット・オプション」の買い手に利益が生まれるという仕組み・・・付け焼刃の知識なので、間違っていたらゴメンナサイ。


今回、ヴィトスはレオの会社の株が大暴落する日を調査して(おそらくここが難しいのでしょうね)、事前に「プット・オプション」を買い、見事大暴落した後、下がった株をすぐ買って売りに出したわけですね。


それで、34万フランが327万フランに。さらに、573万フランへと・・・。現在、1フラン約85円なので・・・凄すぎです。


そりゃあ、おじいちゃんもあんなもの買ってしまうわけです(^_^;


ラスト。大人顔負けの才能を持つヴィトスも、まだまだ子供です。ヴィトスにとっては悲しい出来事も待っていましたが、家族の絆、夢、そして恋と、いろんな経験を積み重ね、子供から大人へとゆっくり成長していくのでしょうね。


ちなみにヴィトス役のテオ・ゲオルギューは、本物のピアニスト。ヴィトスを地で行く天才少年です。



にひひにひひにひひにひひ



Title:

VITUS


Country:

SWITZERLAND (2006)


Cast:

(Vitus - age 6)FABRIZIO BORSANI

(Vitus von Holzen - age 12)TEO GHEORGHIU

(Helen von Holzen, mother)JULIKA JENKINS

(Leo von Holzen, father)URS JUCKER

(Grandfather)BRUNO GANZ

(Luisa)ELENI HAUPT

(Isabel - age 12)KRISTINA LYKOWA

(Isabel - age 19)TAMARA SCARPELLINI

(Hoffmann jun.)DANIEL ROHR

(Hoffmann sen.)NORBERT SCHWIENTEK

(Gina Fois)HEIDY FORSTER


Director:

FREDI M. MURER



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