レイニング・ストーンズ | ひでの徒然『映画』日記

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レイニング・ストーンズ


Comment:

失業中の男が悪戦苦闘する姿を通して、家族と社会の在り方を描いたヒューマンドラマ。


ほとんど設定は「リフ・ラフ」と似ているのですが、さらに、家族を養う責任を持つ父親としての誇りと神を信じる信仰心にも焦点を当てています。


現在失業中のボブは同じく失業中のトミーと組んで、日雇いの仕事や時には法に触れてしまう仕事をしていました。そうまでしなければ、家族を養うことができなかったのです。


さらに、ボブは可愛い一人娘コリーンの聖餐式で着る衣装一式を買い揃えてあげようと決意します。しかし、妻アンから一式を揃えるには70、80ポンドくらい必要だと、新しく買わなくてもと言われてしまいます。しかし、頑として決意を曲げないボブのとった行動とは・・・。


例え貧しくても父親としての誇りと信仰心を失わなかったボブは賞賛に値すると思うのですが、ボブは現実を見据えることができませんでした。


自分は大丈夫・・・そんな気持ちが少なからずあったのだと思います。


それが、家族をさらにどん底へと陥れてしまいます。


そして、最悪の結果に・・・。


そんなとき助けてくれたのは、ボブの信仰心でした。バリー神父は話のわかる人でしたね。ただ、実際にあんなことが起こりえるのかと、現実を直視するケン・ローチ監督の作風からは少し逸脱していたようにも感じました。


それでも、社会の底辺で生きる人たちの強さと弱さが伝わってきます。


特にボブの親友であるトミーが娘のトレイシーからお金を貰った後の何ともいえない複雑の心境・・・あれは、うれしさと悔しさが入り混じった涙だったのではないでしょうか。でも、まともに働いていたと思っていたトレイシーも結局は底辺で生きていたわけですが・・・。


ラスト。バリー神父から赦しを得ても、ボブは一生、不安を抱えながら生きていくのでしょうか。ボブは家族を守る勇気と正義心が強かったのだと思います。あの状況で逃げずに立ち向かうのですから・・・。


コリーンの可愛らしい笑顔を見るために、これからもボブは苦闘の日々を生き抜いていくのでしょう。



にひひにひひにひひかお



Title:

RAINING STONES


Country:

UK (1993)


Cast:

(Bob)BRUCE JONES

(Anne)JULIE BROWN

(Coleen)GEMMA PHOENIX

(Tommy)RICKY TOMLINSON

(Father Barry)TOM HICKEY

(Jimmy)MIKE FALLON


Director:

KEN LOACH


Awards:

Cannes Film Festival 1993

(Jury Prize)KEN LOACH



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