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3人組の男たちが繰り広げる奇妙なロードムービー。
パトリス・ルコント監督らしいコミカルな作品でした。まるで、アニメを観ているような展開です。
恐れを知らない飛行機乗りヴァンサンは、航空会社の責任者ルフォールを困らせてばかりいました。ヴァンサンには美しい妻エレーヌがいました。ヴァンサンはいつもエレーヌのために飛行機雲を作って愛の告白をしています。自宅の窓から見上げる幸せそうなエレーヌでしたが、同時に浮気相手のエスコバルとの情事も重ねていたのです。
そのことを知ったヴァンサンは2人に報復するのですが・・・。
ヴァンサンの報復は恐さを通り越して面白くもあります。そこまでするのかって感じです(^_^;
エレーヌへの報復なんてアニメそのものでしたね。
女の嫉妬は恐いと言いますが、男の嫉妬も恐い。ヴァンサンは報復により裁判にかけられてしまいます。あの報復では当たり前ですが・・・。
しかし、なんと判決は無罪。ヴァンサンも驚きを隠せません。何が起こったのか判らぬまま、舞台はは6年後に・・・。
オープンカフェで美しい女性を口説く男ポールとその様子を見ながら怒りをあらわにするマリー。2人は夫婦でした。マリーはポールの女癖に嫉妬してポールの帰宅を見計らって見知らぬ男との情事を目撃させます。
すごいことをやるもんだなぁ・・・(^_^;
もちろん動揺を隠せないポール。2人は口論となり、マリーは家から出て行きます。取り残されたポールと情事の相手・・・その構図が笑えます。
1ヵ月後。いつまで経っても帰って来ないマリーを心配するポール。実は女癖はあるものの、ポールは誰よりもマリーのことを愛していました。
う~ん。厄介な癖だなぁ。
ポールは考えます。こんなに愛しているのに、マリーは他の男を愛してしまうのか・・・。だったら、この世からマリーがいなくなれば、こんなにも悩む必要はないと・・・。
ポールは叔父のエレガンに相談します。エレガンはポールの考えを正すどころか、助長してしまいます。マリーを殺す役にピッタリな男がいると・・・。
そうです。エレガンはヴァンサンを無罪にした張本人。深刻な事態のときに、動いてもらう駒として用意しておいたのです。
ヴァンサンは静かな余生を過ごしていました。今さら殺し屋なんてする気もありません。しかし、エレガンに弱みを握られているため引き受けることに・・・。
殺したくない殺し屋と殺したい叔父。その2人の間で葛藤する男。奇妙な男たちの旅が始まります。
旅先で会う奇妙な人々もハンパありません。
彼氏を銃殺する女性マドレーヌ。彼女からの突飛なお願いにヴァンサンは・・・。
ホテルにてポールが女性を口説けるのか賭けをする3人組。その勝敗と結末は・・・。
旅先でマリーを見たと言い張るポール。マリーが乗っていると思われる大型トラックを追いかけますが・・・。
どのエピソードもあまりに間抜けで面白いです。パトリス・ルコント監督作品の常連でもあるジャン・ロシュフォールもホテルのボーイ役で良い味を出しています。
3人組の中では、やはりエレガン役のフィリップ・ノワレは存在感がありましたね。ちょっと考えがぶっ飛んでいる初老の男を好演しています。
ラスト。3人はマリーの母親から、マリーは国境無き医師団に参加して、なんとアフリカにいることを突き止めるのですが・・・。
はたして、マリーに会うことができるのか。そして、本当に殺してしまうのか・・・。
「タンゴ」は、独特のリズムの中で機敏に動くイメージがあります。その動きを男と女が同調していなければ美しくありません。さらに、片方がいなくなれば、踊ることすらできません。
人生は愛する人と共に生きなければ楽しくない・・・そのことをラストシーンは伝えているのかもしれませんね。
Title:
TANGO
Country:
France (1993)
Cast:
(L'Elégant)PHILIPPE NOIRET
(Vincent Baraduc)RICHARD BOHRINGER
(Paul)CAROLE BOUQUET
(Female Guest)CAROLE BOUQUET
(Bellhop)JEAN ROCHEFORT
(Marie)MIOU-MIOU
(Madeleine)JUDITH GODRÈCHE
(Hélène Baraduc)MICHÈLE LAROQUE
(Mariano Escobar)MAXIME LEROUX
(Lefort)JEAN BENGUIGUI
Director:
PATRICE LECONTE
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