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底辺の労働者階級として生きる人々の姿を描いた作品。
イギリスの格差社会を浮き彫りにし、今をストレートに伝えるケン・ローチ監督ならではの作品です。
マンションの建設現場に集まる職を失った労働者階級の男たち。その中に新入りのスティーヴと名乗る若い男もいました。ある日、スティーヴは工事現場のゴミ置き場に捨てられたバッグに目が留まります。バッグを手に取り、中身を確認すると、手紙や財布、顔写真、日記などが入っていました。スティーヴは手紙を頼りに持ち主であるスーザンに届けに行きますが・・・。
安い給料で雇われた労働者階級の人たちは、住む場所もなく、不法占拠のビルの一室で寝泊りします。さらに、本名で働くと税金を徴収されてしまうため、偽名を使って働いたり・・・。
それが当たり前のようになってしまっていることに危機感を感じてしまいます。
一方、歌手を夢見るスーザンは、クラブや路上で歌声を披露していますが、お世辞にも巧いとは言えない歌唱力でして・・・(^_^;
ブーイングを受けまくるスーザンを助けたのは、スティーブと共に働くラリーでした。このラリーも志は人一倍強いのですが、どこか空廻りしている感が・・・それが、ラストに不幸をもたらしてしまいます。
工事現場の管理者側と作業員側では、あんなにも貧富の格差があるとは・・・まるで奴隷制度のようです。
スティーヴとスーザンは親密になり、2人はスティーヴの家で同棲することになります。スーザンは不法占拠のビルだと知っているのでしょうか・・・。スーザンも夢ばかり見ているので、お金がなかったのかもしれませんね。さらに、スーザンには過去にうつ病となり自殺未遂までしてしまうという経験がありました。しかし、スティーブは自分の闇の過去を告白しお互い励ましあいながら慎ましく暮らしていきます。
そして、スーザンは夢が叶い、スティーヴも店を持つという夢を実現しました・・・だったら良いのですが、ケン・ローチ監督作品にそんな夢のような幸せは訪れません・・・(T_T)
いつまでもネガティブなスーザンに対し次第に気まずくなる2人の関係・・・。
スティーヴ役にはロバート・カーライル。十数年も前の作品であるはずなのに、現在とさほど変わらない容姿にちょっと驚きました。
ラスト。建設現場では不当な境遇、解雇が相次ぎ、1つの悲劇が起きてしまいます。ついに、業を煮やしたスティーヴは仲間と共にある大胆な行動に出ますが・・・。
「リフ・ラフ」とは軽蔑の意味を込めた「下層階級」、「人間のくず」を指すそうです。
「リフ・ラフ」を生み出した社会にスティーヴは抵抗したかったのかもしれませんね。建設現場が格差社会の縮図を表現しているかのようでした。
Title:
RIFF-RAFF
Country:
UK (1991)
Cast:
(Steve)ROBERT CARLYLE
(Susan)EMER MCCOURT
(Kojo)RICHARD BELGRAVE
(Shem)JIM R. COLEMAN
(Kevin)DAVID FINCH
(Mick)GARRIE J. LAMMIN
(Wilf)DEAN PERRY
(Mo)GEORGE MOSS
(Gus Siddon)WILLIE ROSS
(Fiaman)ADE SAPARA
(Larry)RICKY TOMLINSON
(Desmonde)DEREK YOUNG
Director:
KEN LOACH
Awards:
Cannes Film Festival 1991
(FIPRESCI Prize)KEN LOACH
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