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女優ペパの人生を変える2日間の大騒動。
タイトルの「神経衰弱」とは、トランプゲームのことかと思っていたのですが、とんでもない!!本当に「神経衰弱ぎりぎりの女たち」がてんやわんやの大騒ぎを巻き起こします。
ペパは同じ俳優のイバンと同棲中。現在は同じ作品の吹き替え声優をしていました。しかし、イバンはその仕事を最後に留守番電話に伝言を残し姿を消してしまいます。
動揺するペパ。すれ違いで仕事場に現れたペパは、既に吹き込まれたイバンの声を聞きながらセリフを吹き込みます。そして、涙を流し倒れてしまいます。
イバンとの思い出を断ち切るためにペパは、2人で住んでいたペントハウスを売りに出します。
それでもペパは、もう一度イバンに会いたいと必死に行方を捜します。
・・・あることを伝えるために。
ペパはイバンがどこにいるのか、当てがありました。それは、20年前のイバンの恋人ルシア。イバンとの間に産まれた息子カルロスもすでに成人になっていますが、未だルシアはイバンのことを愛していました。その愛情は異常とも呼べるものでした。
ルシアの登場に、2人の女の対決を予感させます。コワッ。
それにしても、なぜイバンにそれほどの魅力があったのでしょうね?そこが不思議なのですが、何とイバンは新しい女、ルシアの弁護士パウリナとも付き合い始めていたのです。
ペドロ・アルモドバル監督作品に登場する男たちは、みんな女たらしで浮気者ばかりのような気がする・・・(^_^;
さらに、恋人がテロリストだったと知り、自分も警察に追われてしまうのではと心配するペパの親友カンデラ。偶然にもペパのペントハウスを見に来たルシアの息子カルロスと恋人マリサも大騒動に拍車をかけます。この当たりのドタバタぶりはペドロ・アルモドバル監督ならではですね。私はもう慣れました(^_^;
ペパ役にはカルメン・マウラ。他の作品と同様に、周りの人に振り回されて疲れてしまう女性を好演?しています。でも、なぜかそこが魅力的だったりするのですが・・・。
ルシア役にはフリエタ・セラーノ。彼女も監督作品の常連ですね。でも、やっぱり怖いです(T_T)
カルロス&マリサ役にはアントニオ・バンデラスとロッシ・デ・パルマ。2人も監督作品に数多く出演しています。
当たり前ですが、ハリウッド進出前のアントニオ・バンデラスは若いなぁ。細いです。
ロッシ・デ・パルマ。一度見たら忘れないであろう強烈な個性を持つお顔立ちですな(^_^;
ストーリー終盤。すべての登場人物が騒動を巻き起こし、そして、ペパのペントハウスに集結します。ここからがこの作品の最大の見せ場になっていきます。
でも、バイクとタクシーのカーチェイスはちょっと苦笑い。もし、あれがフリエタ・セラーノ本人だったら驚きですけどね。
そして、イバンのいる空港にペパ、そして拳銃を手にしたルシアが揃います。
はたして、ペパがとった行動は・・・?
その日までの経験、さらに、その時の感情やタイミングによって、人は人生を大きく変えてしまうことがあります。
ペパとイバンが再会するタイミングが異なれば、また違ったラストを迎えていたことでしょうね。でも、このラストがペパにとって一番幸せなのかも。マリサに真実を語るペパの表情から新たな人生を生きる喜びが伝わってきました。
Title:
MUJERES AL BORDE DE UN ATAQUE DE NERVIOS
Country:
Spain (1988)
Cast:
(Pepa)CARMEN MAURA
(Carlos)ANTONIO BANDERAS
(Lucía)JULIETA SERRANO
(Candela)MARÍA BARRANCO
(Marisa)ROSSY DE PALMA
(Paulina Morales)KITI MANVER
(Taxista)GUILLERMO MONTESINOS
(Iván)FERNANDO GUILLÉN
Director:
PEDRO ALMODÓVAR
Awards:
Venice Film Festival 1988
(Golden Osella (Best Screenplay))PEDRO ALMODÓVAR
New York Film Critics Circle Awards 1988
(NYFCC (Award Best Foreign Language Film))