ワイルド・アット・ハート | ひでの徒然『映画』日記

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映画レビューを徒然なるままに書き綴ります。


ワイルド・アット・ハート


監督:デヴィッド・リンチ

キャスト:

ニコラス・ケイジ、ローラ・ダーン

ウィレム・デフォー、イザベラ・ロッセリーニ、J・E・フリーマン、ハリー・ディーン・スタントン、ダイアン・ラッド

製作:1990年、アメリカ


ワイルドなハートを持つ男セイラー・リプリーと恋人のルーラ。2人の目の前に黒人の男ボブ・レイ・レモンがナイフを手にし、ルーラと別れろと脅迫とも呼べる警告をしてきた。しかし、セイラーは正当防衛として逆にボブを殺してしまう。ボブの背後にはルーラを溺愛する母マリエッタ・フォーチューンがいた。


22ヶ月と18日後。ピーディー刑務所から出所したセイラーを待つルーラ。2人はそのまま誰にも邪魔されないカリフォルニアへと逃避行する。


しかし、マリエッタは探偵ジョニー・ファラガットや殺し屋マルセロ・サントスにセイラーを殺し、ルーラを取り戻すようにと依頼していた。


Comment:

迫り来る追手を振り切りながら、2人の激しい愛を確かめ合い、真実の愛を見つけるまでのバイオレンス・ラブ・ストーリー。


セイラーはまさにワイルドなハートを持つ男。立ちはだかる物があれば壊して通るような男です。そんなセイラーですが、ルーラへの愛はピュアそのもの。一片の曇りも無い愛を捧げています。でもその愛し方がまたワイルドなのですが・・・。


セイラー役にはニコラス・ケイジ。若いです。あんなに足が上がるのですね。また彼が歌うエルヴィス・プレスリーの曲がセイラーのイメージにピッタリです。


「一番好きな曲「ラブミー・テンダー」は結婚する相手にしか歌わない。」


まさにワイルド。ルーラとの会話は歯が浮くようなキザなセリフのオンパレードです。


ワイルドなセイラーを熱烈に愛するルーラ。彼女もまたワイルド。彼女の目にはセイラーしか見えていないかのようでした。


ルーラ役にはローラ・ダーン。「ブルーベルベット」のサンディとは間逆な役柄を演じています。セクシーにキレまくっています。


そんな2人に母マリエッタが殺し屋を差し向けます。しかし、殺し屋マルセロ・サントスは、セイラーを殺すと同時に探偵ジョニー・ファラガットも殺すという条件を提示します。ジョニーはマリエッタの恋人でした。断るマリエッタでしたが不安になりジョニーの後を追いかけます。その予感は見事的中し、マルセロは「Mr.となかい」に殺しをさらに依頼。「Mr.となかい」は2組の殺し屋をジョニーとセイラーに差し向けます。


セイラーに差し向けた殺し屋ボビー・ペルーとペルティダ役には、ウィレム・デフォーとイザベラ・ロッセリーニ。悪役がハマり過ぎるウィレム・デフォー。イザベラ・ロッセリーニはローラ・ダーンと同様に「ブルーベルベット」とは違う魅力を放っています。


はたして、セイラーの運命は?そしてルーラとの愛は?


ラストに登場する善い魔女はチープな感じでしたが、車のボンネットの上で抱きしめ合うセイラーとルーラ。


そして・・・。


一番の見せ所はラストシーンですね。とにかくセイラーがカッコいいです。


デヴィッド・リンチ監督作品の中で、最もバイオレンスかつエネルギッシュな愛に満ち満ちた作品でした。



第43回カンヌ国際映画祭 パルム・ドール



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