過去ログ:2006年4月29日(土)
監督:スパイク・リー
キャスト:エドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン、バリー・ペッパー
2001年9月11日以降のニューヨーク。麻薬ディーラーのモンティは何の前触れもなく警察に逮捕される。刑期は7年。現在保釈中のモンティに残された時間は25時間。モンティに残されれた選択肢は「服役」、「逃亡」、そして「自殺」・・・。モンティは父、親友のジェイコブとフランク、そして恋人のナチュレルに別れを告げる。しかし、あの逮捕劇には密告者がいて、それがなんと最愛のナチュレルだというのだ!
モンティは疑心暗鬼のままジェイコブ、フランク、ナチュレルと共に最後の夜に繰り出す・・・「本当の友にはシャンパン、偽の友には痛み(ペイン)を・・・」。
Comment:
監督のスパイク・リーはモンティを通して、ニューヨークにおける人種差別、貧困、そしてテロについて語っている。特に9.11同時多発テロ後が舞台だけあってテロへのメッセージ色が強い。かといって、ストーリーがおざなりになるのではなく、モンティの25時間というタイムリミットへの不安感も同時に表現している。鏡に語りかけるシーンはお見事。また、「彼は親友だし大好きだけど、こうなったのは自業自得だ」というフランクの言葉も印象的。そして見て見ぬ振りをしていた自分に後悔するフランク。手を差し伸べる勇気が必要だということを教えてくれている。ラストでモンティは3つの選択から1つを選ぶが、はたしてそれは夢なのかそれとも正夢なのか・・・モンティの父が意外とキーマン?
One More:
2時間を超えるとは思えないくらい、ものすごくリズム感がある作品です。
セリフが早口というわけでもなく、音楽は随所にピアノソロやストリングスが入っているのですが、やはりそこは黒人であるスパイク・リーでないと出せないリズムなのでしょう・・・不思議です。
エドワード・ノートンはテーマが重い作品に良く出演していますね。でも個人的には彼はコメディも似合うのでは?と思っています。マイケル・J・フォックスが演じていたような好青年役とかがピッタリなんだけどなぁ。
おっ!この作品にもフィリップ・シーモア・ホフマンが!今度は真面目(でもちょっとダメダメおじさん)な高校教師ジェイコブに扮しています。でも、エドワード・ノートンと幼馴染み役とはちょっと無理があるかも。
テロとは無縁の平和ボケしている私にとっては、少々テーマが重たく感じましたが、「悪いことは悪い!」と言えてこそ真の友情であると教えてくれるソウルフルな作品でした。
追記:
製作:2002年、アメリカ