生まれてしばらくは自分を客観視する事をしなかった。
小学校に上がると"しんのすけ"と言う名前だけでだいぶ虐められていたし、長髪だったためか影で"おとこおんな"みたいな感じで呼ばれていた。
高学年に上がってもクラスのほとんどに無視された記憶がその頃の大半を占めている。
中学校に上がり一つ上のヤンチャな先輩たちに目をつけられ、怯えながら学校生活を送っていた。
この頃視力も低下し、成績もどんどん悪くなっていった。
高校生になると親が離婚し家庭が崩壊した。
現実逃避のため学校には行かずバンド活動に明け暮れていた。
20代前半は色んなアルバイトをしたがどれも続かず、気付けば周りが就職し始め
結婚、出産と同級生に格差を感じ始めた。
何度か実家を離れてみるも、いつも家賃が払えず同居人への借金が膨らんだ。
自分の誕生日に実の父親が亡くなった。
もう頼れる人は居ないと絶望した。
20代終盤で"癌"と宣告された。
この時初めて死と隣り合わせになり仕事も失い絶望が続いた。
現在は32歳。
まともに就職もせず結婚相手に愛想を尽かされるのも時間の問題である。
とにかく人に迷惑ばかりかけてきた人生だった。
古き友人には常に罪悪感が付き纏い
また新しく出会う人とそれなりの関係を保つ事がとても面倒に思える。
この先の人生が不安である。
どちらの感情も持ち合わせないと人生は楽しめないのかもしれない。