【ロマネ・コンティ】今年は石黒さん毎年の狼の季節がやってきた。裏方は飲料メーカーと出版会社だろうが、さすがに今年は祭り報道を控えた。あの祭り報道は、開高健の『ロマネ・コンティ』を思い出させる。あるいは、『玉、砕ける』に近い。『ノルウェーの森』は面白いが、『山月記』には品格が遠く及ばないし、雄大さにおいては『妖星伝』の足元にも及ばず、檀ふみパパの愛の歌にはかなわない。七十年代世代の懐かしさはあるのだろう。なお、今回受賞した石黒さんの作品は、恥ずかしながら訳本でも読んだことがない。