馬鹿な思い出 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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神戸あたりの方なら知っているだろう。
サンテレビに、元AKB48の女性がアナウンサーとして入社し、即戦力となっている。
生まれは千葉の田舎娘。
不美人さが、昔の幼なじみに似ていた。
原稿を読む彼女の姿に、大学生になったばかりの頃の馬鹿な自分が思い出される。

仙台から実家に帰るのに、わざわざ遠回りして、幼なじみの下宿している町に立ち寄った。
かなりあたりが暗くなってくる。

と、彼女がポツリこう言った。

泊まってく?

小学生の時から、イタリア映画を真似て、机の下で脚喧嘩していた相手だ。
ほとんど親戚に近い。


が、まだまだあの縛りはない時期だったのに、私は聞こえない振りをした。

まあ、もったいない。

退職後、彼女の兄に初めて会った。
高校時代から伝説になっていた方である。
今や東京で知らない人は少ない会社の社長だった。
あの方は忘れているだろうが、彼女と長電話していて受話器の後ろから怒鳴られたことがあった。

しかしなあ、蝦夷といい、水車小屋といい、この誘いといい、もったいなかった。

馬鹿である。




貧しい今なら、即ごちそうさまである。