私の親父たち………その1 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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幸いなことに、私には親父と呼んでいる、方々がかなりいる。
生物学的な父親以外の親父たちは、一部は親戚、多くは全くの他人様である。
が、私がまだ生きていられる所以、生きる希望を与えてくれた方々だ。
中には、香川の牛さんのように、会ったことさえない人もいる。

そんな他人様の代表は、箸にも棒にも引っ掛かからなかった私をすくい上げてくれた、あの親父である。
この方は、多くの方々からも親父と呼ばれたりもしていたし、私以外に瀕死の先輩を救ったのを知っているから、『親父』と思っている人は私だけではなかろう。
新入社員の分際で、現地社長も恐れる親父と、国際電話で喧嘩したこともあった。

同期などなら分かるだろうが、あの青鬼様が『上海駐在員に』と直談しているのに分け入り、『こんな色っけのない街は嫌だ』と駄々を捏ねたり、南で『辞める』と言い出した時は、酒に付き合ってくれたのも、かの親分だった。
後でマカオ桜先生から、断り方も考えて話せと注意された。
やがては国会議員かと言われた方だが、下請社長となり静かに引退した。


人生の師である。


次回は、シンガポールのキャプテンの話。