【記憶】堀の中の懲りないおじさんをふったクーニャン | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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ニュートンサーカスには、リンダの店で知られる、日本人のみならず現地人にも人気の店があった。

不幸なリンダの死の後を継いで、人気をもりかえしたクーニャンがいた。
まだ二十になって間もない娘だったが、なかなかの人物だった。

あの堀の中の懲りないおじさんにさえ涙を流させたが、あれをクーニャンのわがままととってはいけない。

この場面はテレビ放送されたから、知っている人もいるだろう。

彼女らは、朝から大変な仕事なのだ。
おじさんとの麻雀は、数少ない休みだったからこそできた。
エアポートにいかなかったのは、堀の中の懲りないおじさんが嫌いだったからではない。
毎夜来てくれるお客さんのが大切だからだ。
だから、首相に似た名前のお方。
怒らないで欲しい。
あんなに美しい涙で悲しまないで欲しい。
日本人にとっては安いエアポートまでのタクシー代も、彼らの数日間分の金。
彼女は所詮雇われマダムでしかない。



多少はクーニャンと友だちだった男より