不幸なリンダの死の後を継いで、人気をもりかえしたクーニャンがいた。
まだ二十になって間もない娘だったが、なかなかの人物だった。
あの堀の中の懲りないおじさんにさえ涙を流させたが、あれをクーニャンのわがままととってはいけない。
この場面はテレビ放送されたから、知っている人もいるだろう。
彼女らは、朝から大変な仕事なのだ。
おじさんとの麻雀は、数少ない休みだったからこそできた。
エアポートにいかなかったのは、堀の中の懲りないおじさんが嫌いだったからではない。
毎夜来てくれるお客さんのが大切だからだ。
だから、首相に似た名前のお方。
怒らないで欲しい。
あんなに美しい涙で悲しまないで欲しい。
日本人にとっては安いエアポートまでのタクシー代も、彼らの数日間分の金。
彼女は所詮雇われマダムでしかない。
多少はクーニャンと友だちだった男より