裁判でも知られている海水停止話の、詳細をタイムマシンで検証しよう。
えっ?タイムマシンなどないって?
何をおっしゃいますか。
お隣のお婆ちゃんらが半島戦争時に、すでに開発しています。
日本軍人が、マールボロを咥えながら、ヘリコプターやジープを使っていたというフランスでの証言がありましたよね。
茶民のいはきみずっぽちゃんなどは、裁判記録と異なるキムさんの経歴を披露していますから、たぶんタイムマシンだけでなく、異次元世界旅行機も開発しています。
さて、本題。
この経緯はあらかじめ書いたが、再度詳しく覗いてみよう。
福島の吉岡から、真水がなくなったので、海水注入をするとの連絡があった。
原災法では、こうした作業は現場責任者の判断でできることになっている。
海枝は太宰の裁可は不要だと思ったが、本人は原発担当大臣気分だから、一応は耳に入れておこうと考え、地震対策本部に入った。
再臨界は起きないのか?
予想もしていなかった質問がきた。
海枝は経済専攻。
しかし、原発の基本くらいは知っている。
とはいえ、海水による再臨界などという話は聞いたことがない。
海枝は沈黙した。
と、太宰は真鱈に顔を向ける。
どうなんだ?真鱈?
真鱈は、原発のプロであり、11日夕方に首相顧問に任命されたばかりである。
水素爆発が起きることは、可能性が低いと言っていた。
が、爆発は起きてしまった。
そのこともあり、真鱈は強く再臨界を否定することはできなかった。
真鱈はほとんど可能性は無いと考えていたが、科学者ということもあり、絶対に無いとは否定できない。
そらみたことか、といった顔で海枝を睨む。
再臨界が起こったら、誰が責任を持つんだ!
太宰の声が鳴り響く。
それを見ていた東電フェローの竹城は、一旦部屋を出て携帯電話を取った。
何?
あのおっさんがまたアレかい。
そっちも大変だな。
吉岡は、副長らに
これから俺は、海水注入停止を命ずる。しかし、止める仕草はしても決して海水注入は止めるな!
紙に書いて、皆が頷いたのを確認してから、本社につながるカメラを向きながらこう言った。
いいか、よく聞け。
海水注入停止!