福島妄想透視小説****4パフォーマンス行脚案 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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法令コピーを終え、非常事態宣言を出したのは、午後7時頃。
海枝が現れてから、2時間半も経っていた。

原子炉はメルトダウンし、もはや人の手ではどうしようもないところまで来てしまっていた。
3年後に太宰は、当時の記憶として7時前にメルトダウンしたとはっきり覚えていると寝ぼけたことを書いている。
それが事実なら、太宰はメルトダウンを知っていたことになる。
また記憶違いなら、ひどいボケである。


いずれの場合も、どうしようもない相手だ。

その後気が抜けたのか、太宰は一寝入りした。
女房役の小田野には、その方が都合が良かったが。


翌日未明に起きだしてきた太宰の言葉に、小田野は呆れ、半分怒りを込めて反対した。


いいですか、貴男は本部長です。
現場担当者ではありません。
誰が考えたってパフォーマンス行脚でしかありません。

政治家としては、あり得ない行為です。



そうは言いつつも、太宰を止めることはできないな、とも思っていた。

ファビョン患者は、発症すると手におえない。