【小説】実況中継 いほき | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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朝から怒号が飛んだ。

いいか、買え支えろ。なんとしても、600は死守だ。


(言うだけならいいなと思った)


何を狐につままれた顔をしとる。いいか、儂が手本を見せてやる。



(手本ねえ。掲示板にあんなの載ったら無理ですがな)



おい、お前。
聞いていんのか!
白犬の糞にもならねえ。
食えねえ奴だ。



(赤犬の肉は旨いって聞いた事あるけど、白犬の糞とか食えるの?と言ってやりたかった)


確かに、昨日の100億は取り戻し、一時は200億が増えて見えた。


一瞬、拍手がおこる。

が、私は知っていた。
禁じ手を使ったのだなと。

ストックを見た。
やっぱりそうだ。
危険過ぎる。


一部若者が尊敬の眼差しで彼を見るなか、私などロートル組は冷ややかに成り行きを見ていた。


午前の場が終わった。


300億減った。
まやかしは、一時しのぎだ。

クリントン優勢だなどと、日本マスコミの言うことを信じている、お花畑さんだ。

今日は、500億減らして1兆の壁を割るかもしれない。



『尻の穴の小さい奴だ』
彼の常套句が浮かぶ。

さぞ、お腹を壊したら大変ですね。
そう言ってやりたかった。