【不思議言葉】土人 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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部落という言葉同じように、いつの間にか土人という言葉も差別的だとなってしまった。

もともと土人とは土着民の意味で、戦前の小説や文書ではよく出てくる言葉で、むしろ愛着さえ感じられる。

その代表が、『山月記』の中島敦だろう。
記憶に誤りがなければ、赴任先の南洋の少女を表すとき、よく土人という言葉が使われていたと思う。

『李陵』『山月記』の漢文調の格調高さ・固さのない、柔らかな文章だ。
少女への愛が感じられた。

また、朝日新聞編集長だった本多勝一氏が編纂した、『皇軍日誌』にも、日本軍が来て安心した南京の漢人らを土人と呼んでいて、歓待された様子がつまびらかにしている。



だから、おそらく戦前は、土人に差別的意味合いはなかったか少なかった。



部落もそうだ。
少なくとも関東以北には、差別的意味合いは感じらない。



が!
戦後に一部の団体などが『ちび黒サンボ』あたりから、差別用語をつくり始めた。


思うに、これらは隣国の影響が強いと感じている。

外人も差別語とされているが、これは隣国の意味で【他人、関係ない人】からのイメージから嫌われたのではなかろうか?

部落も、隣国の白丁あたりを徹底的に差別し、今でさえ法律で定められている本貫差別につながっていると感じる。

土人というのも、何らかの影響があるのではないか。
そんな気がする。




私の場合は、大学に入るまでは部落は差別的意味合いなど全く無い一般名詞だった。

それが今や、差別語の代表格。

今住んでいるあたりでは、農村の老人たちの会話に、当たり前に出てくる。

もちろん、差別的意味合いなど微塵もない。



差別語とは、新たに植え付けられたもの。
いわば洗脳である。



【ら抜き言葉】や意味不明『放射能』を平気で使う癖に、やたら差別語に敏感だ。


不思議なことだと思う。


ちなみに、大阪府警の機動隊が使った時は、多分差別的意味があったろう。

しかし一部のマスコミは、どうしてその侮蔑的と思われる言葉を吐いてしまったかは報じない。


あの際の土人には、差別的意味合いがあったろう。

が、そうさせた相手の行動は、私には映画のゾンビそのものに見えた。






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