台風も老化現象で、物忘れがひどく、最近は徘徊もするようになったのだろうか。
ここに来たばかりの頃は、丘の上の一軒家だったから、風が吹く度に家が揺れた。
新築まもない頃、珍しく関東に上陸し、家のすぐ西側を通った時には、吹き飛ばされるかと思った。
が、すぐに周りに家がたち始め、唯一広い空間があった東側は木々が大きくなり、近所から森と呼ばれるようになった。
おかげで、風を恐がる必要はなくなったはずだった。
裏庭には、ミカンの木を植えている。
去年成らしすぎたから、今年は不作だろうと思っていたが、思いの外たくさんの実を付けた。
今はカボスくらいだが、あまりに成りすぎたせいか、枝がしなっている。
そのままでも、枝が折れそうだ。
いくら裏庭には建物ができたとはいえ、半分は駐車場。
ミカンの木には、かなりの風が当たる。
今度の台風に耐えられるのだろうか?
今のうちに、青いミカンを一部もぎ取るべきではなかろうか。
雨の匂いを感じながら、そう悩んでいる。
