前回はユダヤ・エジプトとの関連を中心に考えたが、今回は広く世界に目を向けて共通点を探ってみよう。
今年は諏訪御柱祭の行われた年だ。
日本マスコミでは、日本独自の祭のような報道をしたところがあったが、これは間違いだろう。
よく似た祭がネパールなどにある。
このような大樹信仰は、古くはシリアあたりの地母神祭へとたどれる。
だいたい、高山、奇石、大樹などは各地で神の宿るものだった。
なまはげは、北欧やスイスなど高山・高緯度地方の鬼と似る。
ヤマタノヲロチ伝説は、エジプト生まれギリシャで発展したペルセウス・オリオン神話に同じだ。
一方、マヤ神話ポポル・ヴフには大国主の受けた受難と酷似する神話、ヤマトタケルがネズミに助けられる話同様のものがある。
山幸彦の海王の娘と出会うシーンは、旧約にも似た出会い描写がある。
大国主が助けた素(しろ)ウサギの話は、東南アジアにそっくりな話がある。
ちなみにウサギとカメの、カメはポリネシア語lamei由来だろうし、 ウサギもやはりポリネシア語の
mu-saga(跳び跳ねるもの)に由来するのかも知れない。
これを古朝鮮語tokiに求める語源書もあるが、古朝鮮語は文字も他国の記録もないのに、どうしてそう言えるのか、トキの発音をどうこねくったらウサギになるのか根拠不明である。
一部語源辞書を見て唖然としたことがある。
ネズミは『盗み』がなまってできた言葉とあった。思わず落語語源かと表紙を確認した。
言葉の発達は、乳幼児を見れば推定できる。
まず覚えるのは、ママパパなど身近にあるもの・名詞であり、理論を必要とする言葉はかなり脳が発達してからだ。
盗むという抽象的動詞からネズミという具体的名詞を生み出すようなことは、古代人の頭で考えておらず、現代言葉を使って現代頭で引っ張り出したものでしかない。つまり、単なる語呂合わせだ。
あまりにも幼稚で強引な考えである。
また、こんなものまである。高名な語学学者の説に、古代は、いとゐ、えとゑは明確に区別していたから、混同などしないとかいうものだ。
まったくのお笑いだ。
うちの田舎栃木や福島あたりでは、いまだに『い』と『え』の区別さえつかない人も多い。
いやいや、『い』と『ゆ』さえ混同し、ユリの花がイリの鼻に聞こえる場合もある。
東京下町では『し』と『ひ』の発音がメチャクチャで、『シマワリの花』という発音言葉さえあるではないか。
『さむい』『さぶい』のような、m音とb音の混同、b音p音h音の変化などは、世界中の言葉に見られる。
偉い先生方は、これだから困る。
庶民は漢音と呉音との違いなどは知らないし、そんなことを考えながらしゃべってはいない。
神話の中で不思議なことは、世界の各地に残る大洪水の伝説が、日本神話には見られないことだ。
★ネタ切れになってきた。
続くかなあ。