【閲覧注意】小学3年生の作文発表会 その1 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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さあ、みんなちゃんと宿題の作文を書いてきたかな?
今日は、みんなのお母さん、お父さんにも学校に来てもらいました。

おばあちゃん、おじいちゃんもいらっしゃいますよー。
今から、みんなの前で一人ずつ読んでもらいます。
いいかなー?





はーい。




まあ、元気な返事。いいわよ。
じゃあね。
みんなの困っていること、助けて欲しいこと。
発表して、村のみんなに助けてもらいましょう。

青木君から読んでいって。
ああ、題名もしっかり読んでね。
はい。では、青木君。






題名
お母さんを助けて!


お母さんとお父さんは、表向きはとっても仲良しです。 買い物に行く時も、いつも手を繋いでいます。

そんな仲良しなのに、実はお父さんは毎週末になると、夜中にお母さんをいじめているのです。

お父さんはお母さんに馬乗りになって、苦しがるお母さんをいつもいじめているのです。

お母さんが、もうダメ止めて!と叫んでも、お父さんは許しません。それどころか、一層ギシギシと床が揺れるほどお母さんをいじめます。そんな苦しい声を聞かせて僕たちに心配をかけまいと、お母さんは自分で口を塞いだりします。
でも、耐えきれなくなったのか、死ぬー!とさえ叫び、ぐったりしてしまいます。


それでも、お母さんは偉いです。
朝には、またお父さんと仲良さげに手を握りあって、明るい笑顔を見せ、僕たちには仲良しに見せかけています。


はっきり、言います。
もう、お母さんをイジメナイで欲しい。
もう、お母さんのあんな苦しそうな声は聞きたくありません。
村の人たちも協力して、みんなでなんとかして欲しいです。

おわり






教室がシーンとなった。
青木君は、感情が高ぶってからか、涙目になっている。



が!
なんということだろう。
後ろに立っている父兄からは、クスクスと笑い声が聞こえてくる。

先生まで、必死で笑いをこらえているように見える。


が、お母さんは分かってくれたようだ。

顔を真っ赤にして泣きそうになっていた。

僕の気持ちが伝わったのだ。




お母さんは、感激のあまりか、教室から飛び出していった。



僕は勇気をふるい、良いことをしたぞ!と自信を持った。



でも、なぜ村のおじさんおばさんが笑っていたのかは分からない。

結構、みんな意地悪なのだろうか?



他人の不幸は密の味と、ませたのり子ちゃんが言っていたが、どうも本当のことらしい。