これは非常に個人的な記憶と記事です。
かつ、分かる人は大変少ないでしょう。
大部分の方は、スルー。
…………………
サルマンと言ったら、ヤクザと喧嘩して目の周りにマンガにあるような青アザを作った、あのサルマンである。
かつて、一度だけサルマンにビンタをしたことがあるが、親にもやられたことがないと恨み節を言ったが、殴りかかられることはなかった。
あのサルマンとは、社会人になってからは数回しか会ったことがない。
しかも、ここ30年くらいは声さえ聞いていない。たぶん県ではそれなりの地位になっているだろうが、周りは大変かも知れないなと感じる。
本物のヤクザに一人で立ち向かったサルマンでも、小便を漏らしそうになったなことがある。
記憶が曖昧ではあるが、それは昭和56年8月13日のことだったと思う。
彼の家の近くの駅に着く。
しばらくすると、一台大きな車が止まった。
中には、サルマンたけではなく、何人かのヒッピー風情が運転手を含めて3人いた。
サルマンの知り合いだと言っていたが、サルマンは彼のことはもちろん、行き先さえ知らなかった。
車は北に向かう。
ほとんど無言の数時間が過ぎた。
サルマンはよく喉が渇き、トイレにも何度か寄った。
私は悟った。
●期の旅かなと。
今思うと、彼らはサルマンの仲間ではなく、私にかなり近い相手だった気がする。
着いた先は、メヒカリなどで知られる今は人がいなくなってしまったあたりの浜だった。
長い付き合いの、かの美人ブロガーさん実家にも近いあたりである。
私は、その娘さんのファンではあるが。
低気圧が近づいていたためか、波が高かった。
何回かは、波にのまれて砂を食んだ。
相変わらずサルマンは、青い顔をしていたが、波にさらわれてオジャンもあるな、と軽いジョークを飛ばせる程度にはなっていた。
その夜は無事にサルマンの家に着いた。
その後の記憶がぼけている。
その時だったか、翌年の盆だったか。
サルマンは例の如く深酔いして……。
奥さんが、もったいなさ過ぎるほど出来た方だった。
酔いついでに、サルマンはカツミも呼び出した。
カツミの家は同じ県内とは言え、数十キロ離れている。
が、あの酔ったサルマンに物言える彼は車を飛ばしてやって来た。
カツミが来たせいか、サルマンは思いきり酔った。
たぶんあれは、怖かったのだろう。
サルマンには悪嫌な思いさせたと思っている。
退職少し前に知ったが、やはり若い時に感じた、高級取りのお化けは存在する。