病院食患者にとって一番の楽しみは、 食うことと看護婦さんに甘えられることだろう。
最初数日は点滴生活だったが、食が口から入る時期になると急に空腹が騒ぎ出す。
隣のじいさんは糖尿で制限食だったが、なんとかごまかして(毎回!)口に何かを入れたり、検査前に飯を食おうとしていた。
離れたところの老人は、寝ていて息をするのもやっとなのに、『オレが会社に行かないと潰れる、退院させろ!』と胃に穴を開けて医者を困らせていた。
病院食も旨いが、ブログには参った。
皆食べたい。
すば(沖縄のそば)の話は、実に響いた。
病院の近くにあったはずだ。
そう思うと、いたたまれない時があった。
で、病院釈放後、早速店を探した。
が!
店は消えていた。
残念。
しかし、そばへの夢は止まらない。
2駅隣には、珍しくそば粉でそばを作っている店がある。しかも安い。
次男介護のもと、私が店に誘導した。
3時少し前。
ギリギリ間に合った。
そんな時間で辺鄙な場所だが、店は混んでいる。
息子がそばを食べるのは初めてだろう。
立ち食いそばという名前や十割そばという名前の、小麦粉入り灰色食品は、よく食べてはいたが。
田舎人なら常識だろうが、そば粉とは純白である。
小麦粉より白い。
多くの店で見るような、灰色がかった食品ではないし、繋ぎが少なければ少ないほどボソボソだ。
駅そばに見るような類いとは別物である。
久々にそばを食べた。
旨かった。