田舎者丸出しだった20代。
そんな山猿が海外に出たのだから、海外ではごく当たり前のことも、すべてが新しかった。
ただし、どこの国に行っても海外だとかを実感する感覚もなかったが。
だから、幸い海外でホームシックとか言われるものにはかかっていない。
人によっては、海外滞在1週間くらいでぐったりしたりする人もいたが。
そんな私でも、文化や慣習、考え方の相違に唖然としたことがある。
今なら当たり前だが、当時は理解するのに時間をようしたことを列挙してみよう。
★MmBi
給油か乗り継ぎの関係で、旧Bmby空港内を散策したことがある。
と、目の前でエスカレータ使ってカートを運ぶおじさんがよろめき、数十重ねたカートが落ちてきそうになった。骨皮おじさんは、必死でカートを押さえている。が、体が押し戻されていた。
それを見て私は、一緒にカートを押し戻し、無事カートを上げることができた。
問題は、この後起きる。
そのおじさんが、とんでもない声で怒り出した。
どうも余計な手助けをしてしまったらしい。
国によっては、作業をするのに身分が決まっており、それを手助けすることは、その人間を否定し仕事を奪うことになりかねない。
のちにそんな話を聞き、なるほどなと納得した。
ある先輩は、会社にある溝のごみ掃除を自分でしてから、周りの人間の多くが挨拶をしなくなったらしい。
なぜなら、たとえ自分のごみでも、それに触れるのは身分の低い人間のすることだとの考えがあり、そうした人間は汚らわしいという慣習が強く生きていたりするからだ。
公共の場の溝掃除をするなど、ほとんど人間ではない。
そんな奴には挨拶などする必要がない。
そうした思想や慣習が、今なお強く生きているところもある。
多くの日本人には、この考えは理解が難しいだろう。
もっとも、韓国なども、人間を人間と見ない慣習が生きており、平気で人間じゃないとかいう方々には、似た臭いを感じる。
そんな私でも、通州事件やフォンニー・フォンニャット事件を起こした人たちに対しては、ほとんど悪魔だなと思ってはいるが。
★KRNTP
これは何はですか?
せんべいです。米で作ったお菓子です。
それは法律違反です。我が国に米製品を持ち込むことは、規則違反で没収します。罰金500B!!
はあ?これは子供のおやつですよ!
官憲への反抗行為で、さらに500B!
はあ?
すぐ後ろでもめていた、初めてBKを訪れた観光客らしい。私は見るに見かねず、こうアドバイスをした。
とにかく500B出したほうがいいですよ。ここで日本感覚の正論を言っても、さらにBが増えるだけです。
そんなものですか?
ええ、ここでは、そんなものです。
※500Bは当時の最高紙幣で、平均的労働者の2日分の給与。
★やはりKRNTP
兄さん、兄さん。その荷物検査はこちらで行ってください。
CUSTOMと書かれている入り口前で、制服の方からそう言われた。
初めての空港なので、制服の言うとおりにCUSTOMと違う出口に行く。
なぜか手続き料500Bを取られた。
が、そこを通ると、確かに税関は素通りできた。
★SPr
急に背中をたたかれた。
をしている!
そっちこそ誰だと思ったら、警察関係らしい。
彗星が近づいてくるというので、双眼鏡で夜空を眺めていたのだった。
人が少なく、SPにしては光の少ないイーストコースト。
どうも私は、スパイかなんかと間違われたらしい。
罰金はなかった。
★GTWK
きな臭いなと思った。
と、機内に煙があふれ、席から左翼エンジンからの大量な黒い煙が吐き出されているのが見えた。
飛び上がる寸前だったが、急遽エンジンを停止しポートに戻った。
が、わずか2時間くらい待っただけで、同じ飛行機でGTWKを飛び立つことになる。
あれは、本当に故障修理をしたのだったのだろうか?
片肺飛行をしていたように感じた。
私だけでなく、乗客の多くは飛んでいる間は、ずっと煙を吐いたエンジンを見ていた。
★SHGHI
また、風呂に入ったでしょ?
風邪気味の私に批判的な声が飛んだ。
だめですよ。冬に風呂になど入ったら。風邪をひいて当たり前です。
工員2000人くらいの工場だったが、そこで家に風呂がある家は皆無だということだった。
独自のトイレさえないのが当たり前。
ただし、党幹部の家は知らない。
★FRNC
すいません。
このホテルには、つかることのできる風呂はありません。
えっ?ここはFRNCですよね!と心の中でつぶやいた。
★またまたKRTP
家まで遠いんだから、気をつけて。
大丈夫。
ちゃんと持ってますから。
男は、キーボードを開けてニコッとした。
私はその筒を見て、唖然とした。
男は総務部長である。
★KRTP
やられたよ。3000万B.彼は、乾いた笑いを浮かべた。
※3000万Bは当時の感覚で3億円。
★SHGHI
あのテレビをください。
じゃあ、1年待って。
おいおい、そこに置いてあるやつだとよ。
売れません!
なんで?
相手は黙った。
相手にしてもらえない。。
どうも、私は現地人と間違われたか冷やかしと思われたらしい。
なにせ、2年分の給料近い。
で、外券紙幣を見せた。
法律上は、現地の金と同価の紙幣だ。
と、男の態度が変わった。
すぐお届けします。
私が和平ついたときは、すでにテレビが届いていた。
★CHGMI
あれは何?
ああ、あれは花。
あの桜みたい花が咲いているのは?
あれは木。
今動いたのは?
動物。
★SHGHI
電話がかかってきたらしい。
マイカーですぐにこっちに来るという。
あれっ?あのひと車を持っていたの?党員だったのかな?
30分待っても、まだ来なかった。
私の計算では、20分くらいの距離だ。
途中で喧嘩でもしているのだろうか?
1時間以上待って、やっと彼が現れた。汗だくで。
彼のマイカーとは、許可を得て、半年待って手に入れた自慢の自転車だった。
★SHGHI
ホテルを移る気はなかったが、参考に他のホテルを覗いてみた。
料金表がデカデカと置いてある。
地元民 ;30Y
他国同朋 ;70Y
外国人 ;100Y
日本だと差別だー!と騒ぐ人もいるだろ。
★SHGHI
あのう、このカップ麺に生きたアリが入っているんだけど。
おお、ラッキー。
それなら、安全です。
そういう話じゃなくって・・・・・・。
★SHGHI
お姉さんは、ズボンを脱ぎだした
おいおい、いくら何でも母親くらいのお姉さんでは・・・・・・。
だいたい、俺は一生ここで生活はしたくないし、砂漠の牢屋も嫌だ。
と思ったのは早とちりだった。
ズボンを脱ぐと、その下に毛糸の股引みたいのが出てきた。
聞いたら、さらにもう一枚はいているという。
ここは国の方針で、一般家庭での暖房は禁止されている。マキや炭もだめだ。
だから、家の中でも氷が張ることもある。
お姉さんは、部屋が暑いと薄着になっただけだった。
★SHGHI
トイレに入った2人は、なかなか出てこなかった。
やっと出てきた2人は、満面の笑みを浮かべている。
髪の毛からは男性用トニック、体全体からはシェービングクリームの臭いがプンプンしていた。
しかし、よくぞこのホテルに入らせてくれたものだ。
住人の私でさえ、一度は入り口でロビーに入ることを止められた。
その時はあまりに寒いので、彼らから借りた綿入り国民服を着ていたのだが。