【甘酢物語3】やはり、何もなかった;田舎のともだち編 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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えーーーと、これはしゃうせつです。

万が一事実そっくりなことがあっても、妄想小説ですよ。


いや、還暦過ぎたから、多少危ないことを打ち明けてもいいか。


はい。ほとんど事実だし、知っている人なら、あああの子ねと分かることを書いちゃおう。


だって、結局何もなかった、アホな私の記録だから。


そうそう、昨日の地震にも、日本では大きな変化なし。

世界を見ても、とくに記述する程の地震は無し。

エトナは、火砕流だけでなく溶岩も噴き出し、何十年かぶりの激しさ。





さて、では今回は田舎時代仲間の、アホ記憶だ。

情けない話ばかりではあるが。



★スパイダー

 高校は男女別であり、一部の方に言わせると、男女校とも日本一厳しい学校であった。

親子でさえ男女で歩いたらいけないと言われていたし、喫茶店に入ったら停学、帽子が少し曲がっていただけで平手が飛んだ。


しかし、抜け道はある。

町が経営する図書館は、『学習の場』として若い男女が集っていいことになっていた。


当然、抜け道大好きな私は、そこに入りびたる。

そこに、せんべいとともにスパイダーがいた。

目がくりくりとした可愛い子だった。

で、あの手紙となった。


2年後くらいだろうか。

その子の下宿を訪ねた。


彼女は急に、水道の蛇口を開きっぱなしにした。

部屋全体が、ザーザーと騒音の中にあった。

が、私たちは逆に沈黙の中にあった。



でも、何にもなかった。


はい、バカな私である。



そういや、図書館の噂が広まり、卒業前あたりには図書館に行くことも禁止された。





★南極物語

東京は久々だった。

いま思い出すと、彼女はかなりきわどい話をしていた。

南極物語を見ながら、結局キスひとつせずに分れた。

中学時代、初めてデートらしいものをした相手だった。自転車で遠出をしただけだが。

その後もいろいろあったけど、また周りにもはやされたこともあったけど、結局何もなかった。


バカな私。







★せんべい

その子とは、その姉時代からのつながりがあった。

そのせいだろう。

私が小学に入る前の写真さえ持っていた。

あれは、ひさびさに田舎に帰った時だった。


町唯一といってよい本屋さん。

彼女がいた。

もう、せんべいではなくなっていたが。


もうすぐ結婚するの、と言った。

彼女のそっちの遍歴は、相当良く知っていた。


彼女は、当時ベストセラーになっていたHow toなんとかのページをめくっていた。

不思議と、それに卑わいさを感じていない自分がいた。


今や世界的な研究者となったあいつが熱を上げていた時期もあったなあ、と思い出した。


でも、やっぱり、何もなかった。


これは、それでよかったのだと思う。

いや、今だったら、違った方向に行ってしまったかもしれない。






★御前

その子とは、ほとんど兄弟のような関係であった。

が、小学6年生の時に席を同じにしてから、自分の中のなにかが変わったことを記憶している。

中学1年のとき、彼女が女性だったのだと改めて意識した。


さて、その梅干町に行ったのは、大学に入って比較的すぐだったろう。

ほとんど兄弟気分ではあるが、それでも雑多な心が渦巻いてはいた。


彼女の下宿は、少し離れた1軒屋だった。

田舎町だから、結構余裕がある造りだった。



泊まっていく?と彼女が言った。



でも、なぜか私は、真っ暗な中、いや帰るよと言った。

が、終電はなくなり、結局彼女のいる街で成人映画を観ながら、むなしい朝をむかえた。


だから、何もなかった。

やっぱり、おばか一直線の私であった。


数年前、村では伝説になっている、彼女の兄に初めてお会いした。

不思議な気分だった。

場合によっては、お兄さんと呼ぶ相手だったかもしれない。



私が特攻隊(比喩です)に出る前日、親が会うように勧めた相手でもあった。


でも、私は布団の中で震えていて、何もなかった。




そんな馬鹿な私。







   大学編につづく      かな?