【廃句】かなかなかなかなの ぴひひひひひと 哭きにけり 暑さ真っ盛りではあるが、今しがた鼻腿、いや花桃の木にはいつくばったかなかなが、ずいぶん大きい声で嘆いていた。 その声は、カナカナと言うよりピヒヒヒヒと聞こえた。 そんな夏の夕暮れ。