★嘘をつくな!
私は叫んだ。
と、包丁が出てきた。
が、目にはまだ計画の色があった。
ふーーーーん。刺してみたら。
私はある確信をもって言ってみた。
★柄に布を巻き、手刃を逆手にもっていた。
プロだなと思った。
目が動いていない。
危険すぎる。
だから、不本意ながら、言われるままにした。
★引き金にかけた手が震えているのがわかる。
まだ二十歳くらいだろう。
近づくと、心臓の音まで聞こえるくらいに、体がこわばって来たのががわかった。
「火ある?」
私は1本のたばこを渡しながら訊いた。
その青年の体からこわばった筋肉がほぐれていくのがわかった。