【戦争小説】グアッド・アル・カナルの悲劇 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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大尉殿。

敵兵は降参したようです。

白旗を掲げています。






それは、勘違いであった。


日の丸の旗が絡みつき、赤丸が見えなくなって白旗に見えただけだったのだ。





米国艦は、白旗と勘違いしたまま、島に近づいていった。




島からの砲撃はない。日本軍の砲弾は尽きていた。






が、米兵が島に上陸した途端、手りゅう弾がさく裂した。




クソー。

降参は擬装だったのか。


許せぬ。


全員殺せ。

捕虜は認めない。

命乞いしても、助けるな!





誤解で、偶然海に漂っていた1名を残して、日本兵全員が殺された。




世にいう、グアッド・アル・カナルの玉砕である。