おつきあいいただいているブロガーさんが、クズに関して書かれていた。
これは昔記事にしたことがあるが、秋の七草のひとつのクズのことだ。
クズの花(夏の終わりから初秋)
秋の七草というと食べられない草花とのイメージがあるが、このクズは食べられる。
と言っても、食べる部分は根からとった澱粉、葛粉だが。
かつては代表的な澱粉だったが、今や葛粉は貴重品だ。
スーパーなどで売っている葛餅は、実は葛粉を使った昔ながらの葛餅である可能性はほとんどない。
現在日本で、日本産の葛粉を使った製品は、ごく限られた店などを除いて、ほとんど口に入らないだろう。
スーパーなどで売っている葛粉という名前の商品は、ほとんどがジャガイモなどから作った偽原料である。
また、原料に葛粉100%使用と書いてあっても、実は昔日本人が食べていた物とは異なる場合がある。
というのは、葛粉を取るには長い年月と、かなりの手間暇がかかる。
そのため、多くの葛粉は中国産や台湾産の葛粉を使っている場合が多い。
中国や台湾の葛は、日本産のクズとは実は別物だ。
いや、日本産というものを買ったから大丈夫という人がいるかも知れないが、これも信用できない。
というのは、日本の食品表示の誤解を招くところで大きな問題があると思っているが、、輸入外国産の粉を使っても日本で精製したりすると【日本産】という表示になってしまうからだ。
これは魚なども同様だ。
アラスカで取れた鮭でも、加工作業を日本でして梱包すれば、日本産である。
豚や牛も面倒な決まりがあるが、少し日本で育てれば外国生まれの牛や豚も日本産だったと思った。
また、先日これもあるブロガーさんが記事にしていたが、国産ワインというのも、フランス産ワインというものと、国が違うというだけではない。
というわけで、純粋に日本の葛粉を使った葛餅というのは、なかなか食べられそうにない。
おそらく、本葛などというものは従来の日本のクズを使ったものかもしれない。
インターネットで見ると、こうした製品は150グラム1000円くらいである。
かなり安いような気がするので、これが日本のクズを採取したもの100%を使って葛粉にしたものかどうかは、いささか疑問ではある。
なお、葛粉に似たものに、片栗粉というものもある。
これは野草のカタクリの根からとった澱粉だが、これは現在の日本ではほぼ味わうことができない。
つまり、現在日本で販売している片栗粉も、限りなく100%に近くカタクリからとった澱粉ではない。
これも、ジャガイモ澱粉などを加工して、片栗粉という名前で販売しているものだ。
もし、本物ならば、100グラム10000円くらいはするのではなかろうか。
でも、現在の日本ではカタクリは希少な野草となりつつあり、ほとんどの群落地が保護地域となっていたりする。
だから、今後日本人は、本物の片栗粉を口にすることはできないだろう。
葛粉は片栗粉ほどではないが、今や幻の食材となりつつある。