【会話小説】田伏邑物語 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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あんなあ、大泉も阿塀も田伏邑の出なんだわ。

ほんでな、田伏邑ちゅうんは、あれだよあれ。

昔はチョソン人の村だったちゃ。

田伏つううんは、そげなところだっちゃ。




ちいと待ってくれ。

田伏って、そんな意味じゃねえど。

江戸時代なら、新田ぐれえの意味だっちゃね。

だがら、昔はあっちこっちに田伏邑があった。

たまたま、今残っているのがさづまと長宿だっちゅうことだげださね。

むしろ、江戸よりずーっと昔っからある歴史あるとこだんべさ。




何言ってるだ。

ひょうたん悪魔が半島さ行った時に、あっちから引っ張ってきたチョソン人の邑だっちゃ。

ほんで、大泉も阿塀もその子孫だっちゃね。






あほ言うなよ。

おめえ、大泉さんとこ知らねえのげ。

あそごのじっちゃまは、立花家の本流。

立花っていったら、おめえ。白河さんから続く地頭家だべな。

鴨川と双六とならぶ、至天の君である白川はんでさえ手を焼いたほどの輩だっちゃね。

ほれとな、阿塀さんとこはもっとすげえど。

阿塀さんちはもともと国守の家。

平安には正五位んなっていて、上殿できた家だっぺさ。

だいたいな、長宿の田伏っつうたら、奈良から摂関家と深いつながりのあるとごだ。

あんまりばがなこど言わねえほうがええど。







うるせえや。

そんなわげのわがんねえごと言ってるおめえは、やっぱり納豆魚だ。

納豆魚は、嘘ばっかでなーーーーんも勉強しちゃいねえ。










またかよ。

困ると、納豆魚しか言えないんだな。

たまには、まともな反論してみろや。

それとも、納豆魚っつうんは呪文なのか。

反論できない相手を追いやるおまじないとか。