先の記事に続いて、宇宙のことを少し考えてみよう。
おそらく多くの方が子どものころに抱いたであろう疑問だ。
宇宙の果ての外側とはどうなっているのだろうか、と言う話だ。
が、これは考えても仕方がない。
我々3次元に住んでいるものには計算など頭で理解ができることはあっても、実感としては存在しないからだ。
速い話が、宇宙には果てがあるが、この世に住んでいる生物や物体にはその果てを理解できない。
ましてやその外のことは理解できない。
いや正確にいうと、果ての外は存在しない。
とはいっても、その果てとやらあたりまでは、計算上は理系苦手というかたにも、比較的簡単に目で分かる説明はできる。
現在の科学では、宇宙の果てまで約150億光年ということになっている。
光の速さは秒速30万km(1秒で地球を7周半できる速さ)で、1年かかってすすむ距離を1光年といい、宇宙を考える時の最小単位。
その速さで、150億年かかる距離ということだ。
では、その先、200億光年あたりには何があるかと言うことになるだろうが、残念ながらその考えはできない。
というのは、光か暗黒かは知らないが、150億光年先には時間も空間もないからだ。
この時間も空間もないと言う感覚は、実感としては分からないだろう。
だが、計算上はそういうことになる。
空間が無いと言うことは、物や空気が無いとか光がないとかいうことではない。
何も無いのである。
宇宙の闇さえない。
だいたい空間も時間もないのだから、宇宙の闇も存在しない。
それが宇宙の果てだ。
さっぱりわかりませんよね。
では、その宇宙の果てとやらまでの約150億光年は、私たちの感覚で分かる距離ではどれくらいのなのだろう。
これは、膨大なkmになってしまう。
0を数十つけた距離を書いても意味がないと考えられるので、少しだけ身近な数値で考えてみよう。
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先に書いたように、光は1秒間に約30万km、地球約7.5周を進むことができる。
この速度だと、地球から月までは約1秒である。
太陽までは8分余りかかるが、これを1天文単位と呼んでいる。
1天文単位とは、地球3740周くらいの距離で、約1億5000万kmだ。
近場の火星や木星を考えるときには、この天文単位を使うことがあるが、宇宙全体の話をする時は、光年といって光が1年で進む距離を基本単位としている。
1光年とは、地球2億3652周くらいの距離で、約9兆5000万kmだ。
もうここまでくると、ほとんどの方は理解できない距離になるのではなかろうか。
でも、この光年とは宇宙では最小単位だ。
この理解できないくらいの距離の4.2倍くらいのところに、太陽に最も近い星がある。
そう、一番近い星でさえ、こんなに離れている。
よくマンガなどに出てくるアンドロメダ星雲などは、150万光年とか180万光年とかの世界である。
さらに、最近知られている最も遠い天体は約130億光年。
ここまできたら、なにがなんだか分からない。
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そうは言っても何とか、宇宙の広大さを実感したいと言う方がいるかも知れない。
そこでこんなことを考えた。
地球の大きさを、直径1..2mmの砂粒とする。
そうすると、月は4cm離れたところにある直径0.3mm位のごみ粒となる。
太陽は、15m離れたところにあるソフトボール。
じゃあ、一番近い星はというと、なんとベトナムあたりにある電球だ。
もう、これで十分でしょう。
これ以上は、たとえるものさえありません。
地球を砂粒にしても、また一番近い星でさえも、こんなに遠いのですから。
地球型惑星があるところは、月を突き抜けた先でしょうね。
★計算ミスがある場合には、ぜひご指摘ください。
よろしくお願いします。