【飛行機がらみの思い出】その2;本当に大丈夫? | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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セルスドンに泊まってから乗ったので、ヒースローではなくガトウィック空港であったと思う。




セルスドンパークホテル

東南アジアや中国の高級ホテルと比べてしまうと狭く貧弱な内装だが、外装の豪華さや敷地・付属設備の広さには驚く

(フルコースゴルフ場、乗馬コース、テニスコート、プールなど)







エンジン音が変わり、誘導路から滑走路へと動き出した。


と、妙な臭いがしてきた。

気のせいかなと思ったら、あちこちから咳き込む声がする。


滑走路に入り、また一段とエンジン音が高くなった。

滑走路を動き始める。


と、今度は明らかにガソリンのような臭いがした。

いや、窓の外を見て唖然とした。

左翼の下にあるエンジンから、真黒な煙が噴出してきているではないか。


機内が騒然となる。


と同時に、エンジン音が低くなりアナウンスが流れた。


エンジントラブルのため、一旦ロビーに戻って待機するよう伝えるものだった。


ああ、荷物の入れ替えやらなんやらで相当待たされるなと思った。


確かコーヒーか紅茶を飲み、一服していたような気もするが、この間の記憶はほとんど消えている。

が、わずか1時間くらいで、機に戻るようなアナウンスがあったことは覚えている。


えっ?もう別の機に荷物を詰め替えたの?早すぎるなと思った。

悪い予感は当たってしまった。

機を変えてはいない。

座っていた席の新聞紙の状況からして、同じ機体である。


おいおい、大丈夫かと思った。

どう考えても、1時間そこそこで整備ができるとは思えなかったからだ。


が、今度は滑走路に出てエンジンをフルスロットルにしても、確かに煙は出ていない。

そうはいっても、正直不安ではあった。


片肺で離陸できるのかどうかは知らない。

でも、そんなに早くエンジン整備ができるとも思えず、私は片肺で離陸したのではないかと疑った。


わずか1時間程度のフライトとはいえ、ずっと気持ちの良いものではなく、ときどき窓からエンジンを見ていた記憶がある。


しかし不思議だ。

煙が見えてから、ロビーに行きまた席に着く直前までの記憶がほとんど消えている。


ずいぶん早く再搭乗のアナウンスがあり、驚いた記憶はあるのだが。



記憶とは、何らかの事件前後は簡単に消えてしまうものらしい。

いや、それは私がボケているだけかな。