日本で使われている所の所謂中国。その中心都市・上海。
中国だけでなく、世界を代表する大都市だ。
一時は魔都とも呼ばれ、繁栄と犯罪が混在する街でもあった。
こうした大都市には、租界というものがあった。
中国は国内が大きく外国に支配されていただけではなく、大都市ではさらに細かく区分されていたりした。
租界とは早い話が治外法権の地域。
つまり、国のようなものだ。その中で仮に殺人があろうと、表ざたにするかどうかはその租界の判断次第である。
少し昔の上海をご存知の方ならすぐにわかるだろうが、仏租界と米・英・日を中心とした共同租界は、東京でいうなら山手線の内側を独占していた。
おそらく現在でも、明治に建てられた高層ビルが上海旧市街で燦然たる存在感を示しているだろう。
この街は35年前にすでに1000万人都市だったが、はエスカレーターは庶民が入れる場所では街全体で1台しかなく、かつ有料だった。
ただし、19世紀制作のイギリス製エレベーターは故障しながらも、多くの高層ビルで動いていた。
時々、ネズミも動いていたが。
ただし、エレベータのある由緒ある建物などには、庶民は入れないことが大半であった。
私自身、友人から借りた人民服を着ていたら、自分の泊まっているホテルに入れず押し問答をしたことがある。そうした場所は、地元国会議員でさえ入れない場合があった。
自国民が入れない店さえ、まだ30年くらい前まであったのだ。
上海の中心・外灘付近の建物は、100年前と現在で大きな違いはない。