【連載小説】『割烹着の天使』その7 カット1 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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カット1


<暗がり;電話の声のみ>


男A;5万株全部ですか?


男B;そうだ。同じことを何度も言わせるな。


男A;;先生。公開当初のご祝儀相場時ならさておき、現在は1,200円を切っています。

   正直、1,800円±100円で5万株というのは私の技量では・・・・・・。


男B;心配することはない。

   明後日の朝からストップ高になるくらい買いが入る。

   今月中に5万株すべてを売り抜けろ。


男A;せ、先生。今月中とおっしゃいましたが、明後日を入れても3日しかありませんが・・・・・・。


男B;心配するな。とにかく今月中にさばけ。


男A;はっ。はい。分かりました。



若い男の額流れる汗を写す。



<老人の口元にパンする>

ト書き;

酒々井君、うまくやってくれよ。

君には目をかけているんだから。


<老人の口元が緩む>


ジョウジョウバエのアップ。


フェイドアウト。