【グーグル百名山】44;利尻山 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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利尻山

学生時代、友人から旅行資金を貯めるためのバイトに誘われた。
そのバイトは1週間ほど泊まり込みになるが、当時の一般的学生バイトの2倍以上と待遇がよく、食事付きだった。

列車に揺られて着いた宿の夕飯に、皆びっくりした。
飯付きとはあるが、どうせおにぎりのきましだろうと考えていたからだ。
いやあ、生まれ初めて食べるような珍味ばかり。
しかも蛸部屋を予想していた学生には、立派すぎる宿だった。
引率のじいさんが、隣の温泉に連れて行ってくれた。
じいさんの背中には、かつては鮮やかであったろう絵が皺に浮いていた。

今だと多分問題になりそうな危険なバイトで、風呂に入ってからは皆倒れこんだ。
が、親方連中は皆親切で、連日のご馳走に大満足し、1週間で北海道旅行資金は貯まった。

利尻には行っていない。
しかし、隣の礼文島では夢の時間が流れた。



その日。
利尻山を見ながら、私は人生で流す涙の半分を流した。
人間とはこんなに涙が出るものなのか。
そう思いながらも、稚内に着いてもまだ涙は止まらなかった。

そんな記憶がある。



★データ
利尻山(利尻岳、利尻富士) 標高 1,721m
日本・北海道・利尻島





尻尾のないキタキツネ。

後で届いた手紙は、大人の内容だった。


あんな純粋で美しい涙は、もう流せまい。


ちょっとばかり、伊豆の踊子に似ている話だ。








瞬間映像固着能力。

これは、場合によっては問題かなあ。

しっかり、キタキツネの顔形が焼き付いている。


今はなくなったけど、過去の映像は消えない。