【教養講座】ベクレルとシーベルト | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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またまた、おせっかい教養講座です。

インターネットなどの記事を見ていると、どうもベクレルとシーベルトを混同していたり、意味を勘違いしていると思われる記事が目立ちます。これは日本のマスコミも一部同様に感じたりさえします。

そこで、非常に簡単に、この変な傾向をたとえ話にしてみたいと思います。


ただし、壊変だの確率的影響度だのと言っても分かりずらいでしょうから、記述としては正確性に欠けますが、砕いた表現、たとえ話で進めていきます。

ですから、あえて科学的な表現はしません。かえって理解しにくいと考えられるからです。


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虫の巣をつついたら、一斉に虫が出てきたとします。

この時出てきた虫の数のようなものを、ベクレルといいます。

つまり、何の虫なのかは無視して、とにかく一定時間に出てきた虫の数を示した数字です。


ところが、虫といっても蚊もいれば蜂もいるでしょう。

いやいや蚊と言ってもデング熱ウィルスを持った蚊もいるかもしれませんし、蜂と言ってもスズメバチもいればミツバチも、アシナガバチもいます。

こうした、数ではなく、虫の種類に応じて刺された場合の健康への度合を示したようなものが、シーベルトです。


ハエが10匹いるとうるさいですが、それほど健康には影響しません。

しかし、スズメバチやデング熱ウィルスを持った蚊がいたら、1匹でも厄介です。


言葉を変えると、かなりベクレルが高くてもそれほど健康には影響しないものから、わずかなベクレルでも非常に危険なものもあるわけです。


しかしながら、ベクレルの値だけ見ては、これはさっぱりわかりません。


さらに面倒なことがあります。


虫の数を調べるために、目の粗い補虫網を使ったらどうなるでしょう。

大きな虫を捕まえてその数は調べられますが、デング熱ウィルスを持った蚊などは網をすり抜けてしましますよね。


では、網に蚊がいなかったから、蚊はいないといえるでしょうか。

違いますよね。これは捕まえる網の目が粗かったからいないように見えるだけで、実際にはたくさんいたかもしれません。


でも、目の細かい網は非常に高価で、取り扱いも面倒なのです。

ですから、一般家庭ではすごく粗い目の補虫網しか買えないでしょう。


しかしながら、こうした粗い目の補虫網の中にいる虫の数に一喜一憂したりします。


あるいは逆に、スズメバチなんかは網を食い破って出て行ってしまったかもしれません。

でも、そういうことを考えずに、網の中の虫の数のことばかり話題にする。

すごく変だとは思いませんか。



放射能測定器だか何だか知りませんが、目の細かい補虫網は5万円や10万円などという安物ではないはずです。

ましてや、1万円台のものではミツバチとハエをとらえるのがやっとで、蚊やスズメバチは捕まえられないでしょうね。



ベクレルとシーベルト。

マスコミやインターネットで、こんな測定値が出たと騒いでいることがいかに奇妙なことか分ったでしょうか。


本質を見ていないのです。

目の粗い網で捕まえた虫の数の話をしても、それほど意味のあることではありません。


その虫は何かということのほうが、むしろ重要なことも多いわけです。