ギアナ高地
『ジュラシックパーク』という、恐竜をテーマとした映画が大ヒットしたことがある。
この映画台本を書いた作家の頭には、コナン・ドイルの『失われた世界』があったのではないだろうか。
周りから1000m以上切り立った崖の上にある台地には、過去に消滅したと思われていた恐竜が住んでいた。そんなSFである。
このSFの題材となったのが、南米北部に広がるギアナ高地と呼ばれる地域だ。
初めてこの存在を知った時には、冗談だろうと思った。
小説にあるように、周りから隔絶した台地。
それはまるで、巨大なプリンをあちこちにちりばめた風景だった。
しかも、プリンのようになだらかな傾斜ではない。まさに垂直。
だからプリンではなく、豆腐かこんにゃくのようだと言えるかもしれない。
南米大陸北部。
コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ、ブラジル。
これら国々をまたいで、そうした山々(テーブルマウンテン)が100くらいあるという。
その面積は、中心部だけでも日本国土の1割もある。
ここには、世界最大の落差のあるエンジェル・ホール(エンジェルの滝;落差979m)もある。
ただし、あまりに高度差があるために、滝の水は霧となってしまうため滝壺はない。
この台地には、恐竜はいなかったが、ここ独自の動植物にはあふれているようだ。
私が最も行きたかった場所である。
残念ながら、夢はかなわなかったが。
★データ
ギアナ高地(テーブルマウンテンの高さ;1000m~3000m程度);垂直断崖標高差500~1000m程度
コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナ、ブラジルの一部
中心部だけの面積 約3万k㎡ (参考;日本国土 37万k㎡)