今回、御嶽山の噴火に伴いなくなられた方々のご冥福をお祈りいたします。
この記事によりご気分を悪くされる方もいらっしゃるでしょうが、これが私の本音です。
さて、今回の噴火に関しては事前に予知できなかったのかとか、異常を察知しながら報道しないのはおかしいとかの批判をよく目にする。
気象庁をかばう気などさらさらないが、これはいささか難しいのではないかと思う。
それは、今回の噴火が水蒸気爆発であり、事前に明確な予兆がつかみ辛いということだけではない。
今回レベルの変化に関して、本当に逐次火山情報を我々が受け取っても、それを噴火や危険と関係づけられるだろうかという問題である。
現在日本にはどれほど危険な火山があるかは不明だが、気象庁ではとりあえず110の山や地域を活火山としている(下図)。
さらに、南洋の無人島などを除いても約80。
これらの細かい情報を毎日入手しても、我々はそれを授受できる能力があるだろうか。
いや、特別警戒レベルの高いものを拾うと13になる。
これには、今回の御嶽山も入っている。
このわずか13山にしても、毎日今回の御嶽山の事前変化レベルの情報を毎日入手していたら、不感症になるか過敏症になってしまうだろう。
むしろ、世間では警戒レベルでは3番目当たりになる富士山あたりの話に飛びつきやすい。
また、マスコミなどもそうした傾向があると感じる。
気象庁の発表に関しては、大雨や洪水予測に関しては大いに不満がある。
しかし、これは改善方向にあるような気配を感じる。
ただ、今回の噴火に関しては、気象庁に多くの責任を押し付けるのはいささか違う気がする。
事件が起こってからは、いろいろ言える。
これは気象庁もそうだし、我々もそうだ。
では、毎日最低でも13の山の情報を我々が入手していたらどうだろうか。
それを警戒情報と受け止められるだろうか。
また、観光地で働く人たちはどんな考えをもつだろうか。
警戒トップレベルから外れたものの中には、磐梯山や富士山など、つい最近大噴火した山もある。
こうしたものを入れたら、毎日50くらいの情報となる。
また、警戒トップレベルには伊豆大島全島、三宅島全島など、多くの住民が住んでいるところもある。
また、伊豆近海のひずみは日々変化している。
仮に気象庁が今回レベルの変化を逐次発表していたなら、我々はオオカミ少年の叫びに聞こえしまいか。
また、マスコミも流さなくなるのではないだろうか。
そんな風に思った。