ここ2日に間に、比較的大きな地震が続いた。
チリ・サンチャゴ付近→サンフランシスコ・ナパ付近→ペルー・山中
いずれも、中国なら何十万人、何百万人という単位の犠牲者が出てもおかしくはない規模の地震であった。
幸い、今回の地震のあったところは比較的地震慣れしている地域のため、建築物も強固であり、大きなパニックには陥っていないようである。
ところで、こうした地震が続くと出てくるのが、地震兵器とかいう妄想記事である。
いままではあまりに馬鹿馬鹿しいので、何ら説明を加えずに大丈夫?という程度にしか記事にしていなかった。
しかしながら、最近気づいたのだが、意外な方も地震兵器は信じていなくとも基本的な勘違いをしていることを知った。
そこで、その地震兵器とかいうものを主張している方々の、あまりにひどい誤解・曲解をここで述べてみたいと思う。
この説でよく見るのが、何とか原爆はマグニチュード7.9の地震エネルギーと同じだ。
だから、この爆弾1個で関東大震災並みの巨大地震を引き起こせるのだ、といった説である。
正直、エネルギーの知識が、全くと言っていいほどない。
どこで調べたのかは知らないが、確かにある種の原爆とか水爆とか呼ばれている核分裂エネルギーを利用した爆弾には、地震マグニチュードで7とか8に相当するエネルギーを発生させるものがあるだろう。
しかし、その爆弾のエネルギーはどういう種類のものかを理解していない。
核爆弾の主たるエネルギーとは熱である。
つまり、関東大震災を起こした地震エネルギーと同じ量のエネルギーであっても、それは熱としてのエネルギーだ。
一方、地震は力学的エネルギー、つまりものを動かすエネルギーだ。
だから、マグニチュード7.9と同じエネルギーを発生させる爆弾を爆発させても、それが揺れとしてマグニチュード7.9の地震を起こすことはできない。
エネルギーをこうした考えで同一と考えてしまったなら、1個の卵を1リットルのペットボトルに入れたら、中の液体は沸騰してしまうだろう。なぜなら、卵1個は70kcalくらいのエネルギーを持っているからだ。
しかしながら、そんな話は聞いたことがない。
卵の70kcalとは消化によって得られるエネルギーだからだ。
地震での力学的エネルギーと、核爆弾の熱エネルギーを比較して論じている時点で?マークがつく。
が、人間は何となく難しそうな話や、数字を入れた説を信じてしまいがちだ。
福島原発事故・人為事件のあとでも、当時の政府などはこのあたりをうまく使っていた。
いい例が、当初はベクレル発表していたのに、途中からシーベルトという単位を使い始め、さらには理解不可能ななんとかポストなどを設置したことでも、これは明らかだと私は考えている。
おそらく今でも、かなりの人がベクレルとシーベルトの違いさえ分からず、発表される数値や、なんとか測定器に表示される数値に一喜一憂しているのではなかろうか。
だから、山本なにがしのように『ベクレる』などといった言葉を使う、パッパカパー差別主義議員も出てくる。
とにかく、私の知っている限りにおいては、地震兵器を唱える方々に科学的基礎力のある人はほとんどいない。
かつて、地震兵器を信じるある国会議員が、科学の基礎の基礎を知らない内容で誤ったことを記事にしていたので、具体的に間違いをコメントした。
が、それを削除されてしまったこともある。
こうした方々に共通するのは、誤りを認めない傾向にあることだ。