所謂【魏志倭人伝】その28 魏皇帝から卑弥呼への親書 3 お返し | しま爺の平成夜話+野草生活日記

しま爺の平成夜話+野草生活日記

世間を少しばかり斜めから見てしまうしま爺さんの短編小説や随筆集などなど
★写真をクリックすると、解像度アップした画像になります。


2014080913540000.jpg


まだ、卑弥呼への親書は続く。


あなたが遣い来させた難升米と牛利は、遠路まことに大義。ご苦労である。

いまここに難升米を率善中朗将とし、牛利を率善校尉として任命し、銀印青綬を与えて、その労をねぎらい還したい。


さて、わかりづらい言葉の嵐だな。

難升米と牛利は、覚えているかな?

遣魏使の長官ならびに次官だ。

率善中朗将というのは、五官左右三薯の長官とあるから、大臣クラスのことだろう。

率善校尉とは宮城の宿営とあるので、宮内庁の侍従クラスかなあ。

とにかく、蛮族に与える位ではないだろう。

銀印青綬というのもすごい。

金印紫綬を最高クラスとすれば、その次くらいのランクだ。

魏国内ならば、皇族ではない諸侯クラスに与えるものだろう。

調べてはいないが、単に魏への遣いに、これほどの厚遇も珍しいのではないかな。


またここに、絳地交竜錦五匹と絳地縐栗罽十張、蒨絳五十匹・紺青五十匹をもってあなたのあなたの貢物に応じて与えよう。


うん?さっぱり分からない?

確かに、儂にもわからない言葉で困っておる。

この漢字を見つけるのにさえ、苦労したんじゃわい。

あんちょこを見ても、どうもよくわからない。だから、かなりの推論も交えて説明するぞ。

絳地交竜錦(こうちこうりゅうきん)とは、ワニかサメの絵の入った紬。

絳地縐栗罽(こうちすうぞくけい)は栗模様のあるちぢみだ。

蒨絳(せんこう)とは茜色の布だろう。紺青(こんじょう)は群青色のことだ。


なに?おお、いいところに気付いた。

うん。卑弥呼が献上したのはわずか二匹二丈の木綿布。

それがお返しは、その長さで数十倍。価値にしたなら数百倍のものだ。

とっても気前がいい。

まあ、これは何ら根拠はないが、皇帝としての見栄かプライドかな。

だから一説には、倭があちらによく行っていたのは、うまみのある貿易だという人もいる。

現在の感覚でなら、これは頷ける。が、当時の感覚ではいささか首をひねってしまうが。



さて、まだまだお返し品は続くが、今日はこれまで。