いささかむづかしう書き留めおかむとぞ思ふ。 
いまはこんにゃく。
だうかんがつくりしまちのちやうなるますなにがしのはんにいきしことあり。 
あしはらとよくにみづほあきつしまのはんにはいといみじふありけるになどいきたまひしや。 
はんよりかへりて六百のとおばひほどのくぢやうきたりとつたへらるるも、かのなにがしがいはく。さあるはわづかにひとりのねとうよなるがわざにあるべしと。 
かかるかわらばんをいぶかしうおぼへしに、われかのますなにがしがぶろぐにぞこめんとなどいたしはべり。
かくあるとつたへききしがまさなるや、と。 
あひやあ。われのかかるこめんとのきへしことこそいみじふありけれ。  
かかることありしと語り伝へけり。