【徒然】かげらふ | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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土用の近づきたるからにやあらむ。ひねもすよもすがらいと暑きに朝晩の外歩きさへわずらはしうなりぬ。
さりとて朝のいひ夕の口をぬぐはではおられぬ。八丁ばかりにあるよろずたなこをおとのはむとて、草鞋に足を通しけり。

心寂しうなりたるかぶろのいと暑く痛みこそ味あはめ。
五丁ばかりを歩きたるさへ、道の揺れたる如し。


道揺れる かげらふなるや 吾なるや



さらに行きたるに、名もしらぬ小さきが、青き花びらを日に向かいて咲きゐるを見る。
かかる暑さに苦一言さへ言はぬぞ愛づらしき。


青花や 昨夜はぐすり 眠れたか


ちゃうがくせいらしきをとめのふたつみつ、二輪の車を勢ひよくこぎて脇を通る。さうざうしさに蝉の声のつかの間消へたるぞおかしける。

蝉どものむひかななよの命こそあはれなれ。


ひつときを 雲雀に譲る アブラゼミ



ななよこへ 浄土に行くや つくほうし