敬愛する日本語のマジシャン氏が、またまた素晴らしい調べを編んでいた。
この作業には、拍手する以外にない。
男女関係においてはジェラシーという感情に欠ける欠陥人間の私ではあるが、こうした作品には、心の奥の方で嫉妬の如き感情が湧いていたりする。
帝国ホテルのローストビーフを楽しむブロガーさんに、高いだけじゃい!ワインに酸っぱいだけじゃい!とコメントをしているような、赤ちゃんの私がそこにいた。
日本語マジックの極意が、トントントトンであることは薄々気づいていた。
が、それを習得するのが容易ならざることもまた、少なからず理解しているつもりである。
なぜなら、このトントントトン拍子感覚は、本を読んだり頭で考えたりするだけでは、到底習得できない類いの感覚だからだ。
それは、それぞれの誕生から今に至る経験や能力、さらに生まれながらに持つ能力にも関係するだろうからだ。
もちろん、訓練により多少の向上はあろう。
しかしながら、なんともしがたいものがあることもまた事実である。
そう考えている。
あのような調べを綾なす日々が、私にも訪れてくれるだろうか。
いい調べというものは、心をも豊かにする。
それを感じられる自分を幸せだと感じることが、今の私にできる精一杯のことに相違ない。
先ほど、さらりと読みなおした。
ちいと、チクチクはする。
が、いい一日になりそうである。