日本神話とギリシャ神話の類似性は昔から語られているが、ギリシャ神話で特徴的なのはタブー破り話の多さだ。
おそらくかなりの数になるだろうから、ギリシャ神話のタブー破り話は何回かに分けて書いていこうと思う。
ただし、現在ではタブーだが、太古には果たしてタブーであったかどうかに疑問が残る親殺しや子殺しに関しては割愛する。
なぜなら、ギリシャ神話の冒頭はこうした話ばかりだからである。
これは、日本でいうところの姥捨てに似た風習か、先住民殲滅戦争が日常茶飯事であったことを臭わせる。
さて、ではギリシャ神話の最初の方から見ていこう。
★プシュケとエロス
・プシュケは山上の宮殿で暮らすことになるが、男は夜しか現れない。
・男は、自分の姿を見てはいけないと忠告する。
・姉たちの嫉妬による計略から、プシュケは約束を破り夜中に灯りをともして男の姿を見てしまう。
・男は去り、プシュケはまた独り身の寂しい時を過ごす。
→日本の蛇旦那にほぼ同じ。
★プシュケと箱
・プシュケの美しさに嫉妬したアプロディテの命令で、プシュケは美の詰まった箱を持ってこなければならなくなった。
・ペルセポネから美の詰まった箱をもらうことができたが、けして開けてはならないと忠告を受ける。
・忠告を破って、プシュケは箱を開けてしまう。
・プシュケは眠りこみ、屍同然になった。
→浦島太郎伝説に似ている。
★パンドラの甕
・初めての女パンドラが、プロメテウスの弟エピメテウスのところにやってくる。
・パンドラは、土産に甕を持ってきたが、それはけして開けてはならぬものだった。
・パンドラは好奇心に負けて、甕を開けてしまう。
・中からはすべての禍々しいものが飛び出したので、慌てて蓋をしめた。
・甕には、希望というものだけが残った。
→浦島太郎伝説に似ている。
★冥府の食べ物を口にしたペルセポネ
・たいへんな美女であるペルセポネが、冥府の主であり全能の神ゼウスの兄でもある、ハデスにさらわれる。
・ペルセポネはそこで、うっかり冥府の食べ物(ザクロか?)を口にしてしまう。
・このため、ペルセポネは1年のうち一定期間は冥府で過ごさなければならなくなり、地上に冬という季節ができた。
→イザナギ・イザナミ神話に似ている。
タブーを破る③・ギリシャ神話2に続く予定。