日本人は、世界屈指の健康的な生活を送っていた。が、高度成長を迎える頃から健康ブームという流行が作られていった。
その走りとなるのが、
「私に電話してください」
のフレーズで知られる、スタイリーなる健康器具だったろう。
健康関連グッズに関しては、エキスパンダー、フラフープなどあるが、今回は食品にしぼってみる。
この健康食品にも、大きなどんでん返しがあった。
私は、知らないが、また食品ではないが、戦中、戦後にはヒロポンが優良な健康薬品だったこともある。
さて、どんでん返し食品のスタートを切るのは、私も何度も食べたことがあるコンフリーからにしよう。
コンフリーとは『忘れな草をあなたに』で知られるワスレナグサと同じムラサキ科の植物で、ヨーロッパや西アジアに自生している野草だった。
これが昭和40年代から素晴らしい健康食品として宣伝されることになり、家庭菜園でも育てられる野菜となった。
もともとが野生にあったものだから、あっというまに繁殖する。
一時は毎日のように食べていた気がする。
また、味噌汁にすると牛肉に似た味わいがした。
天ぷらもなかなかいけた。
が!
2004年。
厚生労働省は、食品としての販売を禁止することになる。
売り出し時には、肝臓を丈夫にするとの売り文句もあった。
が、実は肝硬変やら肝不全、さらには肝臓癌を引き起こす例が多数報告されたからだ。
コンフリーは今、空き地で本来の姿で成長している。