【夏目漱石記念】コピー小説『癖捲り』 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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夏目漱石の『こころ』が発表だか出版だかされて100年目らしい。



『こころ』は難し過ぎるので『草枕』冒頭をコピー作文してみた。

題して『癖捲り』。





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『癖捲り』





山道を降りながら、こう考えた。

地位に働けば金が出る。上司に棹させば下請けに流される。いーじゃんと通せば今日愚痴だ。とかくに人の世は住みにくい。





人の世を作ったものは亀でも鰐でもない。傘張り向こう三軒両隣にちらちらするただ見の人である。



ただ飲みの人の作った世が住みにくいからとて、濾す国はあるまい。あれば人で那支の国へ逝くばかりだ。人で那支の国は日の世よりもなお住み憎かろう。





世に住むこと二十年にして、住む貝ある世と知った。二十五年にして明暗は豹狸のごとく、日のあたる所にはなしょなるきっどの禿が射すと知った。





★原句

春の星を落として夜半のかざしかな



→しま爺句

おぼろ月沈みて遊ぶ花筏





★原句

春の夜の雲に濡らすや洗ひ髪



→しま爺句

桜雲濡らすや君が洗ひ髪





★原句

春や今宵つかまつる御姿

→しま爺句

桃黄泉に浮かびし御姿奉る





★原句

海棠の精が出てくる月夜かな





→しま爺句

月影にほのかに浮かぶ海棠や







★原句

うた折々月下の春ををちこちす



→しま爺句

ゑひてなほ春の夜いまだ落ち着かず







★原句

思ひ切つて更け行く春の独りかな



→しま爺句

とつくりの桃花愛でて朝は来ぬ









おそまつ。





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