発売早々、出荷停止とか。
はて、カップ麺から銃弾でも発見されたのかな?と思ったら、これは失礼な推測だった。
売れ過ぎて製造が追いつかないらしい。
開発者にとっても、メーカー、販売者にとっても嬉しい悲鳴だろう。
トム・ヤム・クンとは、もちろん世界三大スープにも挙げられるシャム料理だ。シャムと言っても鶏の仲間でもなければ、大和人という意味でもない。
首相罷免を間近に控えたタイのことである。
トム・ヤム・クンのトムは、タン(湯)のなまりかも知れない。
ヤムはヤーム。辛いといった日本語の意味に近い気がする。
クンはエビだ。
だから、日本ではトム・ヤムと言ったらトム・ヤム・クンになるが、実はいろんなパターンがある。
トム・ヤム・プラー(魚)、トム・ヤム・ムー(豚肉)などだ。
また、日本や日本人の行くタイ高級店のトム・ヤム・クンと、現地人の食べるトム・ヤム・クンは、外見が似ているが味は別物だ。
さほどオーバーな表現ではないが、味が3倍、5倍濃い。
お上品なトム・ヤム・クンにはないレモングラスとショウガ味、さらにエビ味噌がぎっしり詰まっている。
そういうのを口にしてしまうと、日本のお上品なトム・ヤム・クンは、いまひとつ物足りない。
トム・ヤム・クンというと辛いというイメージが強いだろうが、地元民に人気のある店のトム・ヤム・クンは多少泥臭いと感じるかも知れないが、複雑な味の協奏曲だ。
辛さの中の甘さ、酸っぱさ、痺れる山椒に似た辛さ、エビ味噌の濃厚さ、レモングラスの日本にはない酸味……。
私の表現力では表せない複雑な味なのである。
さて、今日は野暮用。
近くにそんなドロッとしたトム・ヤム・クンを作る店があった。
開いていたら、口にしてみよう。
