【説明】なぜ犯罪と思っているか | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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先に記事にしました、菅元首相の現地視察に関して、私なら100万年の懲役刑と書いたことについて、誤解を生じている可能性もあり、このあたりを私の理解の範囲で少し詳しく説明いたします。

間違い等、専門家またはお詳しい方々のご指摘をお願い致します。


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福島第一原発において、予備電源も使えなくなり、反応炉への冷却水供給が停止しました。

原発というのは、ガソリンに火を付けると燃える、水をかけると消えるとかいったものとは、全く違います。
また、汚物に消毒液をかけて殺菌したり、光合成において太陽の光と二酸化炭素や水からデンプンを作るような働きとも全く違います。

極端にいえば、1円アルミ硬貨を、金メダルと銀メダルにすることに似ています。
つまり、いわゆる化学反応とは全く違う、まるで手品のような反応です。

これの基本的な考えは、アインシュタインの頃からありました。
しかし、当時は理論だけであり実際に人類がその手品をできると分かったのは、アメリカで初めて原爆実験をした時でした。

ろうそく1本を燃やすだけでは、せいぜい数時間ほの暗い明かりとなるだけです。
ところが、この手品理論では、ろうそく1本だけで、1家100年分の明かりが賄えます。

が、原爆はそれを一瞬に出してしまい、とても使い物になりません。

しかし、人間はそれを小出しにする方法を考えました。

さらに、小出しにした熱で水を温め、その温められた水を使い、直接燃料に触れないきれいな水を温めます。
そのきれいな水の水蒸気を使って風車(タービン)を回します。
ものが回転すると電気を作ることができます。これは電気でモーターを回すことの逆です。自転車をこいで、ランプをつけるようなものです。


さて、こうした反応に使う元の材料(ウランなど)を、燃料と言います。
とはいえ、ガソリンやアルコールのように燃えているわけではありません。


非常におおざっぱにいえば、常に体から火花を発射しています(本当の火花ではありません)。

この火花がある一定量になると、急に大きな火柱になります(何度もいいますが、実際に火が出ているわけではありません。あくまでも喩えです)。
この火柱の熱を水が受け取るわけです。


ガソリンやアルコールなど、実際に燃えるものは、その元を絶てば火は消えます。
が、この手品燃料は、半永久的に火花を散らしています。
ただ、水やコンクリートなどは、その火花を弱くする、つまり調節できる性質があります。

逆にいえば、水などがなかったなら燃料は自分の出す火花で溶けてしまいます。 これをメルトダウンと言います。
このメルトダウンが始まるとその後の処理は、極めて人類には難しくなります。
また、この火花を非常に効率よく抑えるものがあります。
目薬などに入っているホウ酸という物質の一部ホウ素(ボロン)です。
ただし、すべてのホウ素が有効ではなく、やや特殊なホウ素しか効果がありません。

ただし、これは火花を抑えるには、また人類が実用として原発に使える物質としては最適ですから、重大な事故が起きたなら、まず使用を考えるものと理解しています。
ただし、これを使うと、以降原発は機能を失うと思われます。


さて、こうした対策をしないで、冷却水がどんどん減って行ったとします。

そうすると、先に述べたように燃料がむき出しになります。
燃料は、ジルカロイという特殊な金属で覆われているのですが、水が少なくなり燃料が自らの火花で高温になると、ある化学反応が起きます。

それは、この金属が周りの水蒸気の中の酸素を奪うことです。

皆さんもご存知のように、水とは酸素と水素が化合したものです。

その水から酸素を取ると、何が残るでしょう。

当然、水素ですよね。



はい。これが、反応炉建屋に発生した水素の原因です。


当初、マスコミはこのあたりに関し、大嘘つき専門家が意味不明の説明をしていたと記憶しています。


この水素は、空気中の酸素と結びつき水に戻ります。
が、例えば静電気などの火花で、一瞬で水となります。

これを水素爆発と言います。

水素爆発を防ぐためには、徐々に水素を吐き出させる作業が必要でしょう。

炉内物質を徐々に吐き出す。

これがベントと考えています。


このベントにより、わずかに放射性物質は外部に漏れます。

しかし、そのまま水素が充満し、建屋ごと吹き飛ぶ水素爆発になってしまってからの半永久的作業を考えれば、1秒でも早くベントをすべきだったでしょう。
一定時間後には、燃料の火花が強すぎ、また水素濃度が高くなるすぎ、とても宇宙に存在するいかなる生物も近づけなくなり、後は水素爆発を待つしかなくなります。



ですから、原発で冷却水の長時間停止のような重大な事故の際には、多少の犠牲(水素爆発に比べたなら、ほとんど無害)を払っても、ベントを急ぐ必要がありました。


ただし、この作業は繊細で危険の伴うものだったはずです。
また、司令官がつきっきりで指示をする必要があったはずです。



その時間を狙って現場に行く、政府高官。

どんなにトンマ落花生首相でも、政府高官を危険にはさらせません。
また、現場の司令官も対応せねばならぬでしょう。
ですから、この間にベント関連作業は停止せざるを得ません。1秒を争う時期に半日の遅れは致命的でした。




こうして、重大な危機を招いてしまい、半永久的な負の遺産を産んだと考えています。



ぜひ、詳しい方々の反論、説明追加などをお願い致します。