最近の日本では、3月3日をひな祭りとか、桃の節句と言って祝っている。
辞典の多くはこれを、魏から伝わった風習としているようだ。
魏というのは、現在中国と呼ばれる国の一部にあった漢族の国で、義務教育では『魏志倭人伝』というあだ名をつけられた書物でも知られているだろう。 いわゆる三國のひとつである。
さて、この桃の節句、もともとは上巳と呼んでいた。
字を見て分かる通り巳、つまり蛇に関係する。
蛇とは川の神である。だから水を司るのも蛇だろう。
この風習が日本に直接伝わったのは魏かも知れないが、その原型を今話題の雲南省あたりに見ることができる。
雲南あたりのミャオ族やチワン族は、この日に盛大な水掛け祭りをする。
【偶然かな?】シリーズで挙げたように、ミャオ族やチワン族と日本人は、見かけでは区別がつかない。
それほど外見が似ている。
が、実は農作業関連の風習も非常に似ている。
通説では魏経由とされる桃の節句だが、ひょっとしたらはるか昔に渡ってきた、漢族以外の民族からの伝統かも知れない。
ところで、タイなどインドシナの風習を知っている方なら、このあたりまで読んできて、アレッ!と思ったのではなかろうか。
そう、4月上中旬のソンクラーン、水掛け祭りを思い出された方々が多いはず。
旧暦の3月3日も、新暦にすると、だいたい同じくらいの時期になる。
つまり、日本ではひな祭りになってしまった行事は、もともとは水に関する祭りたったのではないかとの推論ができる。
まだ、日本の田舎の一部に残る流し雛は、11月のロイクラトンにも似ている。
いずれにせよ、水に関係が深く、農業の神とのつながりをイメージさせる。
さらに遡れば、現在のインドやエジプト、あるいはイラクあたりにたどり着くに違いない。
蛇足だが、『端午の節句』が、韓国固有の世界無形文化遺産としてユネスコに登録されているらしい。
冗談かと思ったら、どうも事実らしい。
ユネスコというのは、吉本新喜劇や火星人宇宙戦争と同じレベルだと、感慨を深くした。
