
このドラマは見ていないので、コメントは控える。
ただ、題名を見て思い出したことがあった。
それは私が社会人になったばかりの頃の話だ。
その会社は社員になると、自動的にある労働組合に入ることになっていた。
その組合員行事として、養護施設を訪れたことがある。
言葉に語弊があるかも知れないが、『1日パパ、1日ママ』になるためだ。
私には小学高学年の娘ができた。
とにかく甘えてきた。
最後はてんぐるまをして庭を歩いた。
夕方。
いやだいやだし、涙をいっぱいためた娘と、私は別れた。
ずいぶん昔の話だ。
しかし、私はその娘の顔をおぼろ気ながらも、未だに覚えている。
また、その思いは鮮明に残っており、この記事を書きつつも、目が潤んでくる。
その娘もいまや、白髪まじりの中年女性になっているはずだ。
遠い、しかし消えることのない記憶。
あの時の、「帰らないで」はつらかった。

帰りのバスの中、沈黙だけが襲った。
いや、わずかばかりの嗚咽があったかも知れない。