【解説】非常事態宣言の裏話 | しま爺の平成夜話+野草生活日記

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視野夢で発令された非常事態宣について、我が国では語られない話をしよう。

視野夢村の現在の村長は隠楽だ。隠楽は名前通り、奥に隠しているものがある。
隠していると言っても、それを知らない者はない。兄の託晋である。 託晋もかつては村長だったが、村で採れる松茸商売で大儲け。さらにご禁制の金の売買やら瓦版発行で富を築き上げ、村長の地位をもぎ取った。それがあまりにあからさまだったので、今は視野夢村から所払いの身の上だ。
もともと、託晋・隠楽の茶菜輪兎家は、そんなことをしてお大尽になった、いわば成り上がり者である。
村長になれば袖が重くなるのはこの村の常識だが、派手にやり過ぎたのだ。



一方、黄巾の乱の中心人物である巣手府は、昔からのお大尽。

今回の黄巾の乱は、この昔からのお大尽連中をないがしろにしたばかりか、氏神様さえ軽んずるような態度を示した茶菜輪兎家に対しての、もろもろの反発が吹き出したものだ。


今回の非常事態宣言の形式上の責任者は、巣手府にとっては引きこもりの若造扱い。 歯牙にもかけない小者だ。

さらに、村長を守るはずの岡っ引きの中には、隠楽をよく思わぬ連中もいるだろう。
侍衆は基本的に、氏神様仲間だから巣手府寄りだ。
今回は侍衆は直接乱に参加してはいないが、大事になったら岡っ引きを蹴散らすだろう。


隠楽の裏には、茶無論などの実力者の姿もちらつく。

さらにはるか後ろには、茶久利家の和地羅崙崑、ならびに紫倫敦というあたりがうっすらとは見える。

しかし、私はあと少し浮き世を楽しみたいから、これ以上は書けない。


とにかく、我が国の報道する表面的な非常事態宣言と、実際の中身は大きく異なるだろうということだ。

非常事態宣言で、村人の生活が急に変わることはないだろう。

一部の村人は、これを祭りとして楽しんでいるかも知れない。

また、こうした事態は今は動きを控えている田んぼの赤巾にとって、臨時ボーナスを得るチャンスでもある。



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残念なことに、どちらに転んでも、田んぼ連中が豊かになる可能性はほとんどない。